NDD方式はFX会社の為替ディーラーを介さないレートの透明性が確保された通信方式です。FX業者はあくまでもトレーダーとカバー先となる金融機関を仲介するだけなので、安心してトレードすることが可能。
この記事では、そんなNDD方式を採用した国内のFX業者を徹底特集。同じNDD方式を採用した国内FX業者の中でもDMA方式やSTP方式、ECN方式など違いがあります。
各社毎の違いも含めて、詳しく解説していくのでNDD方式の国内FX業者選びにご活用ください。
NDD方式を採用した国内のFX業者一覧表
FX会社 | 通貨ペア | 米ドル円スプレッド | 特徴 | 公式 |
---|---|---|---|---|
![]() | 29種類 | 変動制 | STP方式のNDD業者 ディーリングなしのフルカバー 最大1,000万通貨対応 | ![]() |
![]() | 55種類 | 変動制 | ECN方式を採用したレートの透明性 MT5対応のNDD業者 指標時でも広がりにくいスプレッド | ![]() |
![]() | 23種類 | 変動制 | 自動売買が魅力的なNDD業者 シストレストラテジ数世界No.1 | ![]() |
NDD方式はレートの透明性が担保されている
NDD方式とはNo dealing desk(ノーディーリングデスク)の略称で、為替ディーラーを設置していないFX業者のことをいいます。NDD方式のFX業者は基本的に、顧客の注文をカバー先となる銀行やLP(リクイディティ・プロバイダー)に直接流します。
ディーリングデスクを設置していないため、システムで顧客の注文を最適なレートを提示しているカバー先とつなげてくれます。レートの透明性、信憑性が担保されているのがNDD方式の最大のメリットです。
NDD方式を採用したFX業者がどこで利益を得ているかというと、スプレッドや取引手数料です。したがって、NDD方式を採用したFX業者はトレーダーに「少しでも大きなポジションでたくさん取引して欲しい」と思っています。
トレーダーが継続的に自社システムを使って取引し、勝ってくれることでスプレッドや取引手数料が入ってくるからです。NDDのFX業者とトレーダーはどちらも「勝ちたい・勝ってほしい」という意味で、同じ方向を向いています。
一方、DD方式を採用した国内FX業者はディーリングデスクを設置しています。トレーダーの注文をカバー先に流すかどうかはそのFX業者に所属する為替ディーラーが判断する方式です。
NDD方式とDD方式を採用したFX業者の最も大きな違いは「取引コスト」です。NDD方式を採用したFX業者はDD方式のFX業者よりも比較的広いスプレッドと取引手数料がかかります。
この点、DD方式を採用したFX業者はかなり狭いスプレッド(ドル円0.1銭など)とほとんどの業者が取引手数料を無料にしています。もっとも、レートの信憑性が担保されているのはNDD方式です。
NDD方式とDD方式、どちらのFX業者がいいのかはトレードスタイルや個人の考え方によって変わるので、自分にとって一番使いやすいFX業者を選んで頂くのが最善です。
NDD方式にもSTP、DMA、ECNなど違いがある
NDD方式にも、細かい執行方式の違いでいくつかの種類に分かれます。まず、STP方式とは「Straight Through Processing」の略で、名前の通りトレーダーとカバー先金融機関やリクイディティ・プロバイダーを直接繋ぐシステムのことをいいます。
STP方式を採用しているFX業者は自社のFXシステムを稼働させて、トレーダーの注文を自動的に流しているため、FX業者がトレーダーの注文に対して何か手を加えたりすることはありません。
そして、STP方式のうち約定確認(ラストルック)を行わないFX業者を「DMA(Direct Market Aceess)方式」を採用した業者といいます。少しややこしいですが、STP方式を採用した業者でも約定確認を行わない業者と行う業者があります。

約定確認とは、トレーダーの注文を受けたFX業者がカバー先に注文を流し、注文を受けたカバー先がさらなるカバー先として金融機関やリクイディティ・プロバイダーに注文を流すことです。
約定するまでの行程が1つ増えるため、時間にして0.2秒から0.5秒ほど遅くなります。NDDでSTP方式を採用し、かつDMAを採用している業者は約定確認を行わない業者です。
最後に、ECNとは「Electronic Communications Network」の略で、ネット上で金融商品が電子取引できる私設取引システムのことをいいます。「Currenex」「Hotspot」「LMAX」などが海外では有名なECNですが、日本であれば「くりっく365」がこのECNにあたります。
ECN方式では、参加している金融機関やリクイディティ・プロバイダー(LP)同士で株式の板取引と同じ要領で取引が行われます。自分が買い注文と他の売り注文をぶつけることで取引が成立します。ECN方式を採用したFX業者であれば、個人でも金融機関やLPと同じ土俵で直接、トレードが可能です。
NDD方式のFX業者を詳しくご紹介!
ここまで、NDD方式に関して解説してきましたが、次はNDD方式を採用した国内のFX業者をご紹介。各社ともに魅力的なサービスを展開しているのでぜひチェックしてみてください。
外為ファイネスト
- フルカバーのNDD方式対応!
- EA利用制限・指値制限無し!
- スキャルピング公認のNDD業者!
通貨ペア | 手数料 | デモ | 初回入金額 |
---|---|---|---|
29種類 | 各種無料 | 〇 | 制限無し |
スプレッド(ドル円) | 最大取引数量 | 最小取引単位 | MT4対応 |
変動制 | 1000万通貨 | 1000通貨 | 〇 |
外為ファイネストは香港でFXサービスを提供しているHantecグループの日本法人です。フルカバーのNDD方式を採用しており、ディーリングデスクを持たない業者です。
外為ファイネストでは、世界中で人気のチャートツール「MT4(メタトレーダー4)」がSTP方式の環境で利用できます。さらに、取引手数料は無料、スキャルピングOK、EA利用制限無し、指値制限無しという高スペック。
1回あたりの最大取引数量は1,000万通貨と大口取引にも対応。最適取引単位は1,000通貨から取引できるので、MT4初心者でも安心です。
さらに、取引ツールは新たにMT5にも対応しています。メタクォーツ社の最新ツールで本格的な取引環境が構築できます。
「大口取引で透明性の高いトレードがしたい」「インターバンク市場で直接取引したい」という方には外為ファイネストが最適です。
大口取引を希望される方に朗報です。外為ファイネストのMT5はこれまで、最大発注数量が300万通貨だったのですが、1度の発注上限が「最大1,000万通貨」まで拡張されました。
これにより、外為ファイネストではMT4/MT5の両サービスにて最大1,000万通貨の大口発注が可能に!
MT5対応かつスキャルピングOKかつ、最大1,000万通貨の大口発注ができる国内業者をお探しであれば、外為ファイネストをぜひご検討ください。
アヴァトレード・ジャパン
- ECN方式を採用したNDD方式!
- MT5対応の数少ないFX業者!
- 主要通貨で狭いスプレッド!
通貨ペア | 手数料 | デモ | 初回入金額 |
---|---|---|---|
55種類 | 各種無料 | 〇 | 5万円以上 |
スプレッド(ドル円) | 最小取引単位 | 追証 | MT4対応 |
変動制 | 1000通貨 | 無し | 〇 |
※デモ・初回入金額・追加証拠金制度はMT4を記載。
アヴァトレード・ジャパンはMT4(メタトレーダー4)対応のFX会社で「DUPLI TRADE(デュプリトレード)」や「AMMA」というシステムトレードのサービスを提供しています。MT4の自動売買が主なサービスでしたが、国内FX会社の中で一番初めにMT5(メタトレーダー5)に対応。
数あるFX会社の中でもMT5が使える数少ないFX業者となっています。これまで自動売買やシストレに力を入れてきたアヴァトレードですが、MT5は主に裁量トレーダー向けのサービスとしてリリース。
下記の画像がアヴァトレード・ジャパンのMT5の取引画面です。見た目はほぼMT4と同じですが、機能面において大きく向上しています。38種類のテクニカル指標を内蔵、特に描画ツールがかなり豊富に搭載されています。
エリオット系やフィボナッチ系、ガンツール、オブジェクト描画も合わせれば46種類の描画ツールを搭載。MT4の欠点だったタイムライン(時間足)の数も21種類に増えているので、より幅広いタイムフレームでチャート分析ができます。
また、主要10ヵ国以上のマクロ経済指標がリアルタイムで更新されるイベントカレンダーやMT4よりも詳しい各通貨ペアの統計データ、現在の取引高分析も閲覧可能。より機能性が拡張した最新のMT5を狭いスプレッドで使えるのはアヴァトレード・ジャパンの大きな魅力ですね。
そして、もちろんですがアヴァトレード・ジャパンもNDD方式を採用したFX業者です。プライムブローカーとECNを介した透明性の高いレートを配信しています。また、レベルに応じて3つの取引コースが用意されており、初心者から上級者まで幅広い層に利用しやすい環境が整っています。
裁量トレーダー向けにカスタマイズされたアヴァトレード・ジャパンのMT5は必見です。
インヴァスト証券
- 取引数量で約定方式が変わる!
- 自動売買セレクトで簡単シストレ!
- 裁量取引と自動売買の両方に対応!
通貨ペア | 手数料 | デモ | 初回入金額 |
---|---|---|---|
23種類 | 各種無料 | 〇 | 制限無し |
スプレッド(ドル円) | 最大取引数量 | 最小取引単位 | MT4対応 |
変動制 | 1000万通貨 | 1000通貨 | × |
※スプレッドは原則固定、例外あり。
※売買手数料は、マニュアル注文の場合は無料。自動売買注文はマークアップ手数料が適用。※最大発注数量は主要通貨ペア(ドル円・ユーロ円・ポンド円・豪ドル円・ユーロドル・ポンドドル・豪ドルドル)を記載。その他の通貨ペアは100万通貨までです。
インヴァスト証券は「トライオートFX」などの自動売買が売りの国内FX業者。最初から組み上がっているロジックを選ぶだけで簡単に自動売買ができるのが魅力です。そんなインヴァスト証券ではDD方式とNDD方式の両方を採用したシステムを提供しています。
インヴァスト証券の約定は「100万通貨まではDD方式、100万通貨を越える場合はNDD方式」というシステムです。NDD方式はそのシステム上、スプレッドがDD業者に比べて広くなりがちです。この点、インヴァスト証券では、100万通貨まではDD方式を採用することでDD業者並の狭いスプレッドを実現。
100万通貨以上の大口注文には、注文をカバー先に流し、カバー先で約定した価格に0.2pipsを上乗せした価格が約定価格となります。このシステムを採用することで、「米ドル円0.3銭」「ユーロ円0.5銭」「豪ドル円:0.6銭」(※)というDD業者並のスプレッドを配信しています。
これは「トライオートFX」で裁量取引をした場合の話ですが、トライオートFXでは面倒な設定は不要で自動売買が始められる「自動売買セレクト」や自分だけのストラテジが組める「ビルダー」機能にも要注目。裁量取引と自動売買の両方が行えるのがインヴァスト証券の大きな魅力です。
※スプレッドはすべて原則固定(例外あり)。震災などの天変地異や事変等による突発的な相場急変時や、重要な経済指標の発表前後(毎月初に発表される米雇用統計等)、主要株式市場のオープン時、NYクローズ前後の流動性低下時等、インターバンク市場での動向によって上記のスプレッドを提供できない場合有り。
記事まとめ&よくある質問
- NDD方式って何?
NDD方式とは「No dealing desk」の略で、ディーラーを設置せずトレーダーの注文を直接カバー先へと流す約定方式のことをいいます。NDD方式ではカバー先が提示したレートに対してトレーダーに最も有利なレートを自動的に提示します。NDD方式のFX業者はカバー先とトレーダーを仲介するだけでディーリングは行わないため、レートの信ぴょう性、透明性が確保された約定方式になります。
- NDD方式とDD方式の違いは?
NDD方式のFX業者ではディーリングデスクを設置していないため、トレーダーの注文は自動的にカバー先へと流されます。一方、DD方式を採用している業者ではディーリングデスクを設置しており、トレーダーの注文をカバー先へと流すかどうかはディーラーが判断します。
NDD方式はレートの透明性が担保された約定方式ですが、DD業者と比べるとスプレッドが広くなる傾向にあります。一方、国内のDD業者は世界的にみても非常に狭いスプレッドを配信しており、取引コストを抑えることができます。
- STP方式、ECN方式、DMA方式の違いは?
NDD方式のうちSTP方式とは「Straight Through Processing」の略でトレーダーの注文を直接カバー先やLP(リクイディティプロバイダー)に流します。STP方式のうち約定確認を行わない業者をDMA(Direct Market Aceess)方式といいます。
ECN方式とは「Electronic Communications Network」の略で、複数の金融機関やLPが参加している私設取引システムのことをいいます。
- 国内でNDD方式に対応したFX業者は?
国内でNDD方式を採用している業者は外為ファイネスト、アヴァトレード・ジャパン、インヴァスト証券などです。FX業者ごとに採用している約定方式が異なるのでご注意ください。
信用できるレートで安心して取引に臨む
今回はNDD方式を採用した国内のFX業者について特集しました。上記で紹介した国内FX業者はすべてディーリングデスクを設置しておらず、透明性の高い公平なトレードができる環境を整えてくれているFX業者です。
取引手数料やスプレッドの面から見ればDD業者に軍配があがりますが、NDD方式の国内業者は取引コストには代えられないレートの信憑性があります。「安心して取引したい」「公平なトレードがしたい」という方は今回紹介した国内FX業者を覗いてみてください。きっとお気に入りのFX業者が見つかるはずです。