『ビジネスパーソンなら知っておきたい 仮想通貨の本当のところ』
【本のレビュー】「今だからこそ、知りたい「仮想通貨」の真実」の感想
- 経済における仮想通貨の役割が知りたい人
- 仮想通貨のメリット・デメリット、リスクとリターンが知りたい人
- 仮想通貨がどうなっていくのか知りたい人
今回読んだ本は、尾河眞樹氏著書『ビジネスパーソンなら知っておきたい 仮想通貨の本当のところ』です。
著者の尾河眞樹氏は人気為替アナリストで、テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、日経CNBCなどにレギュラー出演し、金融市場の解説もされている方です。以前に読んだ本「本当にわかる為替相場」は非常に読みやすく、為替について初心者の方は一度読んでも損はないでしょう。
この本はどういう本かはこの一文ですべて表されています。
「そもそも、なぜ仮想通貨は『通貨』とは言えないのだろう?」
その言えない理由が書かれてある本です。そして通貨とは何なのか、その本質を分かりやすく解説されている本です。実際の通貨との違いなど、おもしろく読むことができます。お金の主な機能「価値の交換・支払いの手段」「価値の尺度(ものさし)・計算単位」「価値の保存」、これら3つをそれぞれ仮想通貨に当てはめて検証されてます。
【目次】
- 通貨は仮想空間に吸収される?
- 現金は消滅する?決済の未来
- 外国為替市場がなくなる日
- 民主化するファイナンス
- 私たちが備えておくべきこと
書籍の見所をピックアップ
1. サトシ登場
第2章からになりますが、数ページにわたって未来の小説になります。仮想通貨がどのようになっていくのか、主人公のサトシが体験する世界です。
2. BOJコイン?
もし日銀がデジタル通貨「BOJコイン」を発行したらどうなるのか。起こりうることが書いてあり、BOJコインが普及すれば、タンス預金にもマイナス金利が適用できるというのがおもしろい発想です。ただし、サトシ・ナカモトが理想としていた中央管理者の存在しない世界だったのに、日銀がデジタル通貨を発行するという時点で矛盾が生じます。先の将来は分かりませんが、想像をする楽しさを感じました。