「資産運用ってコトバを最近よく聞きますが、何からはじめたらいいのかわからない」という投資初心者の方、けっこう多いのではないでしょうか。
そんな方はまず、「資産運用とはどういうものか」ということから知っていただければと思います。基礎の勉強をしたらまず何はともあれやってみることが大切です。
ここではまず資産運用をするためのはじめのハジメ、口座開設と取引がすぐスタートできる準備までの流れと、その間に必要な基礎的な知識を説明させていただきます。
①証券会社で口座開設をする
証券会社での口座開設とは、銀行で預金口座を開設するのと一緒です。
口座開設の申込フォームから順番に必要事項を記入していきます。
ログインID、ログインパスワード、取引パスワードなど、パスワード系がたくさん出ていきますのでメモを準備しておくことをおススメします。金融取引のパスワードはセキュリティーが非常に厳しいため、失念すると再発行に時間と手間がかかりますので管理をしっかりしておいてください。
個人情報の提出の一つにマイナンバーカードが必須になっていますので、事前に準備が必要です。
証券会社の口座というのは、現金だけでなく保有している株式や金融商品などをその口座で預かって管理します。通帳はありません。
証券会社には、店舗を構えて人が担当する店舗系証券会社(野村証券、大和証券など)と、インターネットのみを使ってオンラインで取引するネット証券(楽天証券、SBI証券など)の2種類があり、最近はオンラインの普及と手数料の安さからネット証券を利用する人が増えています。
おすすめのネット証券一覧表
以下ではおすすめのネット証券をご紹介しています。各社の特徴を記載していますので、参考にしてみてくださいね。口座開設を検討中の場合でも、気になるネット証券があれば公式サイトをご覧いただき、各社のサービスや雰囲気をぜひご確認ください。
ネット証券 | 業者の特徴 | 公式サイト |
---|---|---|
SBI証券 | SBIグループのネット証券 口座開設数600万口座以上の人気業者 米国株式は6,000銘柄に対応、国内随一のラインナップ | |
楽天証券 | 楽天グループのネット証券 多くの投資初心者に選ばれる人気業者 国内外株式/ETF、投信、iDeCo、FXなど多彩な取り扱い | |
マネックス証券 | 米国株式の時間外取引(プレ、アフター)が可能 米国株式買付時の為替手数料も0円 | |
GMOクリック証券 | 1日の約定代金100万円まで取引手数料0円 レベルに応じた充実の取引ツールを提供 |
証券会社と銀行の違いはなに?
証券会社=直接金融 V.S 銀行=間接金融
証券会社はみなさんが株式を買うことによって、その企業に直接お金を出資(貸す)する仲介をしています。よって投資家(市場)から企業への直接橋渡しを行うため「直接金融」と言われます。
その仲介の際の手数料が収益です。
証券会社は仲介が仕事ですので、その証券会社が破綻してもみなさんの口座にある商品はセーフティーネットで守られます。
銀行はみなさんが預けたお金などを元手に、お金が必要な企業にお金を融資する(貸す)ことがメインの仕事です。よって「間接金融」と言われます。
融資の際の貸付金利が収益です。
みなさんが預けた資金が元手に使われるため、そのお礼のような意味で金利が付きます。
ですので銀行が破綻した場合、金利の付いている預金等は1000万円までしか保障されません(ペイオフ制度)。
上場株式ってなに?
みなさんがもし株式取引を始めたいのであれば、証券会社を通して買えるのは「株式を上場している」会社の株式だけです。
上場とは、証券取引所に株式を公開してみなさんが自由に株式を売買できるようにすることです。
株式を上場させていない株式会社は「未上場会社」と呼ばれています。有名な未上場会社の会社には、サントリー(酒類)、JTB、佐川急便、大創産業(100円均一ダイソー)などがあります。これらの会社の株式は証券会社を通じて買うことはできません。
また、株式が公開されている場所のことを「市場」といいます。
市場で形成される変動している株式などの価格のことを「相場」といいます。
特定口座とは?「源泉徴収あり」ってどういうこと?
株式などの金融商品を売買して利益が出たら、その利益には「譲渡益税」という税金がかかります。
原則みなさん個人個人が確定申告しなければらないのですが、少し複雑ですので、その税金の管理を証券会社がみなさんの代わりにしてくれる口座のことを「特定口座」といいます。
その後、「源泉徴収なし」と「源泉徴収あり」を選択する事になります。
「源泉徴収あり」を選択すると、税金の徴収と支払いまで証券会社が代わりにやってくれますので、みなさんが税金の申告する必要がありません。
このように、税金関係をきちんとしてくれる口座がありますので、できるだけ特定口座の源泉徴収ありを選択することをおすすめします。
NISAやつみたてNISAを始める時は、その口座開設の申込みが必要です
NISAとつみたてNISAは、配当金や分配金、売却による譲渡益税が非課税になる制度です。これらの制度を使って資産運用したい時は、NISAの専用口座の開設が必要です。NISAとつみたてNISAはどちら一方しか開設できません。ただし、途中でどちらかに変更することは可能です。
通常の口座開設と一緒に申込みができますので、やると決めている人は一緒に申込みをしましょう。もちろん後からNISA口座だけを開設申込することも可能ですが、税務署の審査がありますので通常より時間がかかることがあります。
一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの違い
「NISAを始めてみたいけれど、種類がいくつかあって違いがよくわからない…」という方、けっこういらっしゃるのではないでしょうか。
NISAには「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3つが存在します。それぞれ明確な違いがありますので、特徴を把握すればすぐに区別がつくようになるはずです。
3つのNISAの特徴・違いを表にまとめましたので、確認してみましょう。
比較項目 | 一般NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA |
---|---|---|---|
利用できる人 | 日本に住んでいる20歳以上の成人 | 日本に住んでいる0歳〜19歳の未成年 | |
投資できる商品(※1) | 株式、投資信託など | 一定基準を満たす投資信託 | 株式、投資信託など |
非課税期間 | 最長5年間 | 最長20年間 | 最長5年間 |
非課税投資額 | 年間120万円 | 年間40万円 | 年間80万円 |
投資可能期間 | 2023年12月末まで(※2) | 2042年12月末まで | 2023年12月末まで(※3) |
運用管理者 | 本人 | 本人 | 本人の二親等以内の親族 |
払い出し制限 | なし | なし | 18歳になるまで払い出し不可 |
金融機関の変更 | 年単位で可能 | 年単位で可能 | 変更不可(※4) |
(※1:利用する金融機関によって取引できる商品は異なります)
(※2:2024年から2028年末までの間は新NISAへの見直しが行われます)
(※3:2023年12月末をもって廃止となります)
(※4:金融機関の変更はできませんが、利用しているジュニアNISA口座を廃止してから別の金融機関でジュニアNISA口座を再度開設することは可能となっています)
口座を開設したら、お金を入金して取引の準備をします
金融商品を買うには、初回は口座へ買付の概算金額を入金しておかなければなりません。
口座開設の時に紐づけた銀行からの送金や、証券口座指定の口座へ銀行などから振込をするなど、入金方法は様々です。
そうすることによって証券口座の「預り金」(現金)となり、株式を買う資金として準備しておくことができます。
証券会社によっては、預り金を一旦MRFという公社債投信に入れてから株を買うようにしている会社もあります。MRFを使うと少しですが金利が発生します。しばらく様子を見る資金としてキープしておくのであればその方が有利だと思います。
なお、証券口座の開設をして入金しても取引をしなけれは手数料などは何もかかりません。ただし稀に口座管理料がかかる証券会社もありますので気を付けましょう(※SBI証券や楽天証券など当サイトで紹介しているネット証券に関しては、口座開設手数料・口座管理手数料ともにすべて無料です)。
手数料がかからないことを確認すれば、安心してここまでの準備をしておいてください。準備ができていればいつでもすぐに運用がスタートできます。
ここまで準備ができれば、買いたい銘柄や金融商品を決めて早速始めてみましょう!
ネット証券は少額からでも取引可能ですので、デモンストレーションと思って少額から始めてみて、注文の出し方や価格の動きなどに慣れていきましょう。
身近にいる経験者や専門家にアドバイスを聞きながら始めるのもいいでしょう。
ワクワクした投資の世界への一歩をどうぞ体感してみてください。
◎債券 → 国債、地方債、社債、仕組債など
◎株式 → 日本株、世界株、先物取引など
・投資信託 → 金融商品のパッケージのようなもの
・ラップ口座 → 投資一任口座、運用のお任せ
・商品(コモディティ)→ 金、プラチナ、小麦など
・ETF(上場投資信託)→日経225、S&P500などの指数を株式同様に売買できるようにしたもの
・REIT(不動産上場投資信託)→ 不動産をパッケージにして証券化し、株式同様に売買できようにしたもの。国内REIT、海外REIT
・FX(外国為替証拠金取引) →外国為替で取引
・CFD(差金決済取)→ 現物の株式やETF、コモディティーなどで取引
・暗号通貨(仮想通貨)→ ビットコイン、イーサリアムなど
①金融機関に全部丸投げしないこと
投資は自己責任ですので、自分自身でしっかり判断して決めましょう。
商品を提案してもらったり、相談に行くのは◎です。
しっかり説明を聞き、理解してから買いましょう。
②自分の投資しているものは定期的にチェックしましょう。
③何年も放置している運用商品がある人は一度見直しをしましょう。
④いきなり難しい取引から始めず、最初は少額でコツコツと。
⑤おいしい話には裏があります。金融詐欺に遭わないように、信頼できる専門家を見つけ相談しましょう(投資のセカンドオピニオン)
ネット証券の口座開設の手順を解説!
ここからはネット証券の口座開設のやり方を詳しく解説していきます。
楽天証券やSBI証券、マネックス証券などネット証券はいろいろありますが、口座開設における手続きの中身は大体同じ流れとなります。
- ネット証券の公式サイトから申込の開始
- 口座開設申込フォームの入力と送信
- 本人確認書類・マイナンバー確認書類の提出
- ネット証券での審査
- 口座開設完了!
公式サイトから申込を始めれば画面上に案内が出てきますので、案内に従っていけば簡単に手続きを進められますのでご安心ください。
では、ネット証券の実際の手続き画面を見つつ、具体的な流れを見ていきましょう。ここでは楽天証券を例に挙げて、口座開設の手続きを説明しています。
①ネット証券の公式サイトから手続きを開始
まずはネット証券の公式サイト(ホームページ)にアクセスしましょう。上記画像は楽天証券の公式サイトの画面になります。
公式サイト内に「口座開設」というボタンがありますので、口座開設手続きを始める場合はこちらをクリックしてください。
ネット証券の口座開設はパソコンでもできますし、スマートフォンやタブレットからでも手続きを行えます。手続き上でメールアドレスの登録とメールの確認が必要になりますので、利用するメールソフトを閲覧できる端末を利用するとやりやすいでしょう。
楽天証券では、最初に楽天会員かどうかを尋ねられます。楽天会員の方は上のボタンを、楽天会員ではない方は下のボタンをクリックしましょう。
次にメールアドレスの登録を行います。個人情報保護方針の確認もしておきましょう。
メールアドレスを入力し、間違いがなければ「同意のうえ、送信する」をクリック。
上記のような画面が表示され、登録したメールアドレス宛てにメールが届きますので、そちらを確認しましょう。
楽天証券から上記のようなメールが届きます。メールフォルダに見当たらない場合は迷惑フォルダなども確認しましょう。
このまま手続きを進める場合は、メールに記載されているURLをクリックします。
②本人確認書類の提出
メールのURLをクリックすると上記のような画面が表示されます。ここでは本人確認書類の提出を求められますので、指示に従って進めていきましょう。
本人確認書類は運転免許証や個人番号カード(マイナンバーカード)などになります。
楽天証券では「スマホで本人確認」というオンライン上での本人確認や、データ(運転免許証の写真など)のアップロードによる手続きをご利用いただけます。
③本人情報の入力
次に、口座開設を行うご本人さまの情報を入力していきます。氏名や住所などを入力するフォームが表示されますので、それぞれの項目に情報を入力していきましょう。
最後に入力した情報の確認画面が表示されますので、間違いがなければデータを送信しましょう。
④ネット証券での審査〜ログイン情報の受け取り
本人確認書類の提出と本人情報の入力が完了すれば、ネット証券での審査が行われます。業者によって審査にかかる日数は異なりますが、楽天証券の場合は1〜3営業日で審査が完了します。
審査に問題なく通れば、楽天証券からログインに必要な情報が送られてきます。「スマホで本人確認」を利用した場合はメールで、それ以外の方法で本人確認書類の提出を行った場合は郵送にてログイン情報が届きます。
ログインIDは変更できませんので、忘れない方に保管しておきましょう。
⑤最初のログイン〜初期設定
受け取ったログイン情報を利用してログインしましょう。
楽天証券の公式サイトにログインID・パスワードを入力する箇所がありますので、該当する情報を入力します。
「スマホで本人確認」を利用した場合はご自身で設定したパスワードを、それ以外の方法で本人確認書類を提出した場合は届いた書類に記載されている初期パスワードを入力してください。
楽天証券では、最初にログインした時点で初期設定を行う必要があります。取引暗証番号の設定、アンケートの回答、勤務先の登録などを行います。それぞれ画面に指示が出てきますので、順番に入力していきましょう。
また、「スマホで本人確認」以外の方法で本人確認書類の提出を行った場合は、ここでパスワードの変更も行います。楽天証券が設定した初期パスワードではなく、ご自身で決めたパスワードに変更するということですね。
⑥口座開設手続き完了!
これで口座開設手続きは完了となります。取引を行うための資金を入金すれば、株式の購入などを始めることができます。