この記事ではTradingViewのサブスクリプションはPlus(旧PRO+プラン)にすべき理由を解説していきます。
筆者はTradingViewの有料サブスクリプションを3年以上契約して使い続けてきました。その中で感じたこと、サブスクリプションを選ぶときに注意すべきことを解説します。
もちろん、Plusにすべきといってもお金がかかることなので、トレードスタイルや経済的な面も関係します。TradingViewのサブスクリプションを選ぶ際の参考としてもらえれば幸いです。
TradingViewの有料サブスクリプションは3つある
まず、TradingViewのサブスクリプションは無料のBasicを除いて3種類あります。
Essential、Plus、Premiumの3つですが、段階的に料金が上がっていき上位のサブスクリプションほど使える機能が多くなります。
TradingViewは無料プランでも実に多くの機能が利用できますが、本格的に使う場合、無料プランでは物足りないところ。特に、一定時間ごとに表示される広告がかなり気になります。
毎日見るチャートだからこそ細かい部分が気になって分析に集中できないなんてことは避けたいです。「多少のお金を払っても快適に使える方がいい」というのが私の考えです。
同じように有料プランを検討されている方も多いかと思います。じゃあ、どのサブスクリプションにしようかと悩みますが、私としては契約するのであればPlusの一択だと思います。
なぜTradingViewは利用者が増えているのか
少し話は逸れますが、チャートツールにお金を払うのは勿体ないことでしょうか。現在、国内には50社以上のFX/CFD業者や証券会社があります。
それぞれの業者で高機能な取引ツールが無料で提供されており、ツールにお金をかけないで済む環境がすでにあります。FX会社提供のツールを使えばお金はかかりませんし、何より取引するレートでチャート分析が可能です。
一方で、有料のサブスクリプションを提供しているTradingViewは世界中で利用者を爆発的に増やしています。すでに全世界で5,000万人の利用者がおり、最上位のPremiumは100万人以上が契約しています。
なぜ無料で使えるツールがあるのに毎月お金を払ってでもTradingViewを使うのか。答えは簡単で「それだけの価値があるから」です。
TradingViewのサブスクリプションも投資の一部
MT4(メタトレーダー4)に代表されるような世界標準のチャートツールはこれまでいくつも登場しています。今では、それがTradingViewです。
難しいプログラムを組んだり、ややこしい手順を踏む必要もなく世界中の金融商品のチャートが簡単に見れます。多種多様なトレーダーの分析方法に対応した豊富なインジケーターと描画ツールを内蔵しており、世界中のプログラマーが日夜オリジナルのインジケーターを無償公開しています。
そして、何より細部にまでこだわった使い勝手の良さと開発速度の速さは世界中でユーザー数を増やしているのも納得です。そんなTradingViewの本領を最大限に発揮するためにサブスクリプションを契約しています。
TradingViewにかかる費用は投資の一部だと思っています。プロ野球選手がグローブやバットにこだわり妥協しないのと同じ感覚です。少しでも自分が気持ちよく相場分析できる環境、より効果的なチャートの見方をTradingViewは可能にしてくれます。
毎月数千円の費用を高いと思うのか安いと思うのか。経済観念は人それぞれですがトレードするならその道具にはこだわってみるのもいいのではないでしょうか。
TradingViewのサブスクリプションは価格と機能がアンバランス
話を本題に戻すと、TradingViewのサブスクリプションは3つありますが、「それぞれの料金と使える機能が見合っていない」と思います。
以下にTradingViewのサブスクリプション別の月次と年次料金をまとめてみました。
TradingViewのサブスクリプション別料金・値段比較
項目 | Basic | Essential | Plus | Premium |
---|---|---|---|---|
月額 (ドル) | 無料 | 14.95ドル | 29.95ドル | 59.95ドル |
月額 (円換算) | 無料 | 約2,300円 | 約4,500円 | 約9,100円 |
年額 (ドル) | 無料 | 155.40ドル | 299.40ドル | 599.40ドル |
年額 (円換算) | 無料 | 約23,500円 | 約45,200円 | 約90,500円 |
(※:料金は2024年4月1日時点の米ドル/円レートを元に税抜の金額を掲載しています。)
よく見ると分かりますが、プランが1つ上がることに料金が倍になっています。最上位のPremiumは実にEssentialの4倍もの料金設定です。
TradingViewはドル建てでの決済なので料金は多少前後しますが、Premiumだと月額9,100円のコストがかかります。
料金に見合った機能が使えれば検討に値しますが、実際にはオーバースペックになる方がほとんどだと思います。
Premiumで使える主要な機能は「最大8画面分割」「最大25個のインジケーター同時表示」「アラート最大400個」「秒足」「ローソク足最大2万本」などです。
これらの機能のうち、自分のトレードスタイルと見比べて必要な機能があればPremiumする価値もあります。例えば、多通貨ペアを監視するのに8画面分割がいる方やスキャルピングするのに秒足を使いたい方などです。
それ以外であれば、基本的にPlusで十分な方が多いのではないでしょうか。主要な機能に関して、PlusとPremiumの違いは上記以外にほとんどありません。
逆に、1つのチャートにインジケーターを25個以上表示したり、アラートを400個も設定する方はほとんどいないと思います。
料金と機能のバランスが良いPlus
PlusはEssentialやPremiumと比べて、使える機能と料金とのバランスが良いです。
最大4画面の画面分割、インジケーターの同時表示が最大10個、アラートは100個が設定可能。ローソク足も1万本が表示できます(日足で約42年分)。
これだけの機能で費用はPremiumの半額(月額約4,500円)です。さらに、毎年11月にあるブラックフライデーで契約すれば50%オフで使えるため年間を通してかなりコストを抑えることができます。
TradingViewのブラックフライデーセールに関してはこちら
次は、より具体的にPlusで使える機能について解説していきます。
Plusのサブスクリプションで使える機能
チャート画面が4分割にできる
まず、チャートを見るときに重要な画面分割についてです。Essentialのサブスクリプションでは、2画面にしか分割できませんが、Plusから最大4画面の表示が可能です。
トレードスタイルによっても変わりますが、複数の時間足を同時に見るマルチタイムフレームで分析されている方であれば4画面は使えると便利です。
上記は5分足から4時間足までを表示させていますが、エントリーのタイミングを計る5分足を大きく表示させ、隣で上位足を表示させています。
レイアウトは複数のテンプレートが用意されており、1クリックで切り替えが可能。各ウィンドウも自由に変更できるので最適なチャート画面が構築できます。
インジケーターは10個まで同時に表示可能
Plusのサブスクリプションはインジケーターが最大10個同時に表示できます。TradingViewはMA(移動平均線)やBB(ボリンジャーバンド)の1本1本が1つのインジケーターとしてカウントされます。
特に、移動平均線は5、20、55、90、200と複数を表示させている方も多いかと思いますが、これにオシレーター系を合わせるとEssentialの最大5個では足りません。
Plusの最大10個がちょうど良いぐらいです。新しい手法やインジケーターを試して使いたい場合に追加するときにも余裕があります。
もし、移動平均線やボリンジャーバンドなどで複数のラインを表示させたいときは有志のプログラマーが公開しているコミュニティ・スクリプトをチェックしてみてください。1つのインジケーターで複数のMAを表示させるスクリプトが無償で配布されています。
アラートは100個まで設定できる
Basic | Essential | Plus | Premium |
---|---|---|---|
5個 | 20個 | 100個 | 400個 |
アラートも重要な要素です。これもトレードスタイルによって違うところですが、重要な局面を見逃さないためにアラートを活用している方も多いと思います。
Essentialのサブスクリプションは最大20個まで設定が可能です。一方、Plusでは大幅に増えて最大100個まで設定できます。20個でも十分という方は問題ありませんが、多通貨ペアをチェックしたりFX以外にも株式や商品をトレードされる方ならアラートは多いに越したことはありません。
とはいっても、Premiumのように400個もアラートを鳴らしては何が重要なのか分からなくなります。こういった面でも丁度良いのがPlusのサブスクリプションです。
ローソク足は1万本の表示が可能
Basic | Essential | Plus | Premium |
---|---|---|---|
5,000本 | 1万本 | 1万本 | 2万本 |
TradingViewはサブスクリプション毎に表示できるローソク足の数に制限があります。ローソク足の本数は時間軸が変わっても同じです。
つまり、時間軸が短いほど表示できる期間が短くなります。無料プランでは、最大5,000本なので日足で20年分、1時間足にすると約10か月分となります。
過去検証する際に表示できるローソク足の本数は多ければ多いほど良いです。特に、短い時間軸でトレードする方はPremiumでも足りないかもしれません。
この点も料金と機能が見合っていない部分です。PremiumがEssentialの4倍の価格ならローソク足も4倍量の4万本にして欲しいところですが、現状では最大2万本です。
であれば、EssentialかPlusがいいかと思います。詰まるところ「どういうトレードスタイルなのか」「どんな機能を使いたいのか」によって選ぶべきサブスクリプションは変わります。
ただ、料金と使える機能を見比べたとき今回解説したような違いがあります。無駄に高いプランを契約する必要もなければ、我慢して安いプランを使うのも本末転倒です。
妥協せず、しかしコストは抑える。TradingViewのサブスクリプションを選ぶ際に少しでも参考になれば幸いです。
TradingViewのサブスクリプションを安く契約する方法
ちなみにTradingViewには有料サブスクリプションの30日間無料お試しがあります。
この期間内であれば、どのサブスクリプションでも無料で使うことが可能です。サブスクリプションを契約する前にお試しで機能を使ってみるのがおすすめです。
また、この無料お試し期間中にはサブスクリプションを最大半額で契約する特別なオファーが表示されることがあります。タイミングによってオファー内容は変わりますが、Plusの年間契約も大幅に割引した状態で契約できるので、ぜひお試しください。
固定費はできるだけ抑えたいなら他の選択肢もある
「とはいっても、月額料金が高い・・・」という方もいるかと思います。そんな方はTradingViewを内蔵したツールを無料で提供している国内業者を利用するのがおすすめです。
みんなのFXでは、TradingViewを内蔵したFXトレーダーというWebブラウザ版ツールとスマホアプリを提供しています。上記で解説したような有料サブスクリプション相当の機能が無料で使えます。
一部、使えない機能はありますが操作性や使い勝手は本家TradingViewに劣りません。気になる方は公式サイトや別記事でも詳しく解説しているので、チェックしてみてくださいね。
TradingView対応のFX会社、ブローカー一覧表
FX会社 | 形式 | 特徴 | 公式 |
---|---|---|---|
みんなのFX | 内蔵 | ・有料プラン(月額約9,100円相当)の機能が無料で使える ・最大6画面分割、テクニカル指標の複数表示(25個以上) ・レイアウト・テクニカル指標のテンプレート複数保存 | |
LIGHT FX | 内蔵 | ・業界最高水準のスワップポイントが魅力 ・特に、LIGHTペアは高水準スワップポイントを提供中 | |
ゴールデンウェイ・ジャパン | 内蔵 | ・スプレッドの狭さに徹底的にこだわり業界最狭水準を配信 ・TradingView内蔵ツール「FXTF GX」を配信 | |
GMO外貨 | 内蔵 | ・株価指数と商品CFD対応の貴重な国内業者 ・最大8画面の独立ウィンドウ表示でマルチモニター対応 | |
サクソバンク証券 | 連携 | ・TradingViewの口座連携対応、スマホ連携も可能 ・米国株の現物と日本株のCFD取引に対応 | |
OANDA証券 | 内蔵 連携 | ・TradingView内蔵ツールと口座連携の両対応 ・8画面分割や5秒足の表示も可能 | |
FOREX.com | 内蔵 連携 | ・世界180カ国に展開するグローバルプロバイダー ・TradingViewをツールに内蔵、MT4にも対応 | |
LINE FX(PR) | 内蔵 | ・PC/スマホ両方にTradingViewを内蔵 ・インジケーターの設定数が無制限 | |
ThinkMarkets | 内蔵 | ・日本初のサブスク型FXで米ドル円スプレッド0銭(※) ・内蔵TradingViewは最大8画面分割が可能 | |
インヴァスト証券 | 内蔵 | ・独自のリピート系自動売買サービス ・FX、指数、商品対応のTradingView内蔵ツール | |
JFX | TradingViewへのレート配信のみ対応 |
※TradingViewの利用形式は取引ツールに内蔵しているFX業者と口座連携ができるFX業者があります。
※取引ツールに内蔵されているTradingViewはFX業者ごとに一部、搭載されていない機能があります。
※口座連携ができるFX業者のTradingViewの機能はTradingViewの契約プランによって異なります。
※内蔵ツールで提供している業者で表示できるのは、その業者の取扱銘柄に限られます。
※ThinkMarketsは有料のサブスクリプションを契約することで内蔵TradingViewが利用できます。
※ThinkMarketsのスプレッド0銭は米標準時間期間中、日本時間の朝9時~翌朝2時/米夏時間期間中、日本時間の朝8時~翌朝1時まで(例外あり)。対象通貨ペアは米ドル円、ユーロ米ドル。
※JFXはFX口座の連携およびTradingViewを内蔵した取引ツールは提供していません。