この記事ではFXの代用有価証券(株券担保サービス)に対応した国内FX業者を一覧表にまとめています。
株式の信用取引で代用有価証券に対応した証券会社は数多くありますが、FX(外国為替証拠金取引)で代用有価証券が利用できる業者は少数です。
各社のサービス内容や特徴も簡単にまとめているので、FX会社選びにご活用ください。
代用有価証券サービス対応のFX業者一覧
FX会社 | 代用掛目 | 現金 | 対象株式 | 公式 |
---|---|---|---|---|
![]() | 70% | 不要 | 国内上場株式、投資信託 | ![]() |
![]() | 70% | 評価損分の現金 | 国内上場株式 | ![]() |
![]() | ※サービス開始時期は未定※ | ![]() |
※各社ともに一部の取引注意銘柄、代用不適格銘柄は対象外となります。詳しくは公式サイトをご確認ください。
※SBI証券のFX取引の代用有価証券サービスは評価損が発生した場合、評価損分の現金の入金が必要です。
代用有価証券(株券担保)とは
代用有価証券(株券担保)とは、保有している現物株式の評価額に一定の掛目をかけた金額分をFXの証拠金として活用できるサービスです。
保有株式の評価額に代用掛目(証券取引所の前日基準日の70%)をかけた金額を担保にできるため、現金の入金をせずにFXがスタートできます。
【具体例】:保有株式の評価額100万円×70%(代用掛目)=70万円分のFXの証拠金として利用可能
代用有価証券(株券担保)のメリット
現金を入金しなくてもFXが取引できる!
FXの為替差益と株式の値上がり益(キャピタルゲイン)の両方が狙える!
配当、株主優待の権利はそのまま!
FXのスワップポイント(金利調整差分)の獲得も可能!
代用有価証券のメリットは「長期保有株式の資金効率を高められる」という点です。配当や株主優待目的で保有している株式は資金が長期間拘束されます。
拘束された資金は値上がりが期待できる銘柄や別の金融商品の資金にあてることはできません。この点を解消し資金の投資効率を飛躍的に高められるのが代用有価証券の利点です。
担保として預けた株券は配当や株主優待の権利はそのままに、FXの証拠金として充当が可能。もちろん、担保株式の売却も自由なので株式の値上がり益(キャピタルゲイン)とFXの為替差益の両方を狙うことができます。
「長期保有で塩漬けしている国内株式がある」「資金をもっと効率よく利用したい」という方には代用有価証券(株券担保)が非常に有効です。
代用有価証券(株券担保)の注意点
FXの証拠金が一定割合を下回った場合、保有株式が売却され充当される
現金の入金なしでFXの損切りを行うと口座残高がマイナスになる(一定金額で入金の必要あり)
代用有価証券売却によるFX建玉のロスカット、証拠金不足
代用掛目の変更による証拠金維持率の変動
※上記は代用有価証券の一般的な注意事項を掲載したものです。各証券会社によって取引条件が異なるため、詳しくは各公式サイトをご確認ください。
もっとも、メリットばかりではなく注意点もいくつかあります。
まず、FX取引で証拠金維持率が一定割合(ロスカット、追証)を下回った場合、追加で資金を入金するか担保株式を売却し証拠金を充当する必要があります。
また、現金を入金せずFXの証拠金全額を担保株式で差し入れている場合、FX口座で損切を行うと口座残高がマイナスになります。マイナス額の合計が純資産の2倍になると入金もしくは株式の売却によって預かり高の回復が必要です。
代用有価証券サービスの取引条件は会社によって異なるため、さらに詳しい条件を知りたい方は各公式サイトをご確認ください。
次は、国内業者でFXの代用有価証券サービスを提供している会社を解説していきます。
代用有価証券(株担保)対応の国内FX業者を解説!
三菱UFJ eスマート証券 FX
三菱UFJ eスマート証券が提供している三菱UFJ eスマート証券 FXでも代用有価証券サービスが利用可能です。
三菱UFJ eスマート証券は主要ネット証券(※)で唯一、株式と投資信託の両方を担保にできます。対象の投資信託は一般形(分配金受取コース)です。累投型は対象外なのでご留意ください。
※三菱UFJ eスマート証券、SBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券が対象。
三菱UFJ eスマート証券はFX取引や株取引など異なる金融商品が一元管理できる取引システムを提供しています。
面倒な口座の切り替えは不要。複数のアプリを管理する必要もありません。主要FX通貨ペアでは最狭水準のスプレッドを配信しており、取引コストもしっかり抑えることができます。
「大手ネット証券で取引したい」「投資信託も担保にしたい」という方は三菱UFJ eスマート証券 FXがおすすめです。

三菱UFJ eスマート証券 FXは裁量取引はもちろん、システムトレード(自動売買)もご利用いただけます。単純移動平均やボリンジャーバンドなどのテクニカル指標を利用して、自分でストラテジー(取引ルール)を設定可能。稼働させれば、条件を満たしたタイミングに自動で注文を行ってくれます。バックテストによる検証・評価にも対応。
システムトレードは三菱UFJ eスマート証券 FXの高機能PCツール「三菱UFJ eスマート証券 FX PCアプリ」で利用可能であり、裁量取引と同じく業界最狭水準スプレッドでシストレもお使いいただけます。代用有価証券への対応だけでなく、シストレにも興味のある方は要チェック!
DMM FX
DMM FXも数少ないFXの代用有価証券サービス(DMMFX株券担保サービス)を提供している国内業者です。
DMMはFXの他にも「DMM 株」という証券事業を展開しており、DMM FXではDMM 株で保有している株式時価の70%相当額をDMM FXの証拠金として利用できます。
DMM 株は国内株式以外にも米国株式に対応していますが、株券担保サービスで利用できるのは国内株式、投資信託等(ETF/REIT)、投資証券(ETN)のみです。
DMM FXの代用有価証券サービスは現金不要でFX取引がスタートできます。手続きも取引ツールから振り替えたい銘柄を選択するだけ。翌営業日にはDMM FXのアカウントに証拠金として反映されます。
DMM FXはアカウント申込から最短1時間後(※)には取引ができるFX業者です。「今すぐ、FX取引がしたい」「DMM 株をすでに利用している」という方はDMM FXがおすすめ。
※DMM FXのお申込みで「スマホでスピード本人確認」を使用した場合(DMM FX休業日を除く)
SBI証券
SBI証券でもFXの代用有価証券サービスを提供しています。SBI証券で保有している国内株式をSBI証券のFX取引(SBI FXα)の証拠金として利用可能。
ただし、注意点として月末時点でFX口座に評価損が発生していた場合、評価損分の現金入金が必要です(すでに現金入金分があれば、評価損との差額分)。
損切り(ポジションの決済)をしていなくても、評価損が判定日時点で発生していれば現金の入金が必要になる点にご注意ください。
SBI証券はFXの株券担保以外にも、国内株式の信用取引の代用有価証券や貸株サービスなど大手ネット証券会社ならではの充実したサービスが魅力的。「老舗のネット証券会社でFXがしたい」という方はSBI証券もチェックしてみてください。
楽天証券
楽天証券では「らくらく担保」という代用有価証券サービスを提供しています。しかし、現状ではFXの代用有価証券には対応していません。
国内株式の信用取引には対応していますが、FX口座は今後対応予定となっています。いつごろ対応されるのかは未定ですが、楽天証券でも代用有価証券が利用できれば非常に便利ですよね。
楽天証券は2つのFXサービスを提供しています。1つが同社の国内株取引で人気の「iSPEED」のFX版ツールを採用した「楽天FX」です。
PC版ツールも高機能ですが、特にスマホアプリは要注目です。PC並みのリッチなチャート機能を搭載しており、画面分割で複数通貨ペアの値動きも簡単にチェック可能。
「サークルメーター」という車のメーター表示をモチーフにした独自機能やトムソンロイター・フィスコ・グローバルインフォ3社のベンダー配信などトレードに必要な機能と情報がスマホで完結します。
2つ目が世界中で人気のチャートツール「MT4(メタトレーダー4)」が利用できる「楽天MT4」です。現状では、両サービスで代用有価証券は利用できませんが、これからのサービス拡張に期待ですね。
代用有価証券サービスに関するよくある質問
- 代用有価証券サービスの対象銘柄は何ですか?
国内取引所上場の国内株式、投資信託、ETF/ENTが対象となります(証券会社によって異なる)。外国株式、海外ETFは対象外です。また、監理銘柄/整理銘柄に割り当てられている一部銘柄も証券会社によって対象外となります。
- FX口座と証券口座の両方を口座開設する必要はありますか?
代用有価証券サービスを利用する場合、各証券会社の証券口座とFX口座の両方を開設する必要があります。
- 代用有価証券を売却した場合、評価額はいつまで反映されますか?
代用有価証券を売却した場合、売却代金の受渡日(売却日から3営業日目)の前営業日までは代用有価証券の評価が行われ、純資産に反映されます。受渡日には売却代金がパートナーズFX口座の受入証拠金に入金されます。