この記事では、高配当ETFの人気銘柄の1つVYMについて色々な角度から特集しています。
VYMの概要、配当実績、配当利回り、ベンチマークからリターンまで詳しく解説。VYMの取り扱いがある国内ネット証券会社と買い方、購入方法も解説しています。
VYMを含めた高配当ETFへの投資をお考えの方は銘柄選びの参考としてご活用ください。
VYMの現物/CFD取引対応!証券会社一覧表
業者名 | 対応取引 | 取引手数料 | 特徴 | 公式 |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | 現物 | 0.495% | 老舗の大手ネット証券 IPOからマイナーまで豊富な取扱銘柄 | |
楽天証券 | 現物 | 0.495% | 独自のお得なサービス多数 楽天銀行との連携で優遇金利 | |
マネックス証券 | 現物 | 0.495% | 決算速報サービスが便利 手数料もリーズナブルでお得 | |
IG証券 | CFD | 2.2セント/1株 | 収益ベースでCFD世界No.1(※) 取扱銘柄数でも国内トップクラス | |
moomoo証券 | 現物 | 0.132%(※) | 米国株式/ETF約7,000銘柄に対応 TLTなど300銘柄以上が24時間取引対応 | |
Webull証券 | 現物 | 0.20% | 米国株式約7,000銘柄 Level2の板情報と気配値 |
※楽天証券の米国株式取引手数料は約定代金に応じて手数料がかかります。
※SBI証券の取引手数料(インターネットコース)は約定代金が2.02米ドル以下で最低手数料0米ドル、上限手数料が20ドル(税込22ドル)となります。コースによって手数料が変わるため詳しくは公式サイトをご確認ください。
※IGグループの財務情報より(2022年10月時点、FXを除いた収益ベース)
※moomoo証券はベーシックコースの取引手数料を掲載(税込)約定代金8.3米ドル以下の場合は取引手数料が0円です。
※Webull証券の取引手数料は税抜きを掲載。
VYMについて
VYMは数多くのETFを運用しているバンガード社が提供している高配当をテーマにしたETFです。
純資産額は約6兆円と高配当ETFのなかではトップクラスの資産規模を誇ります。
設定日は2006年と運用開始から15年近く経過しており、これまで安定した実績を残してきたETFです。経費率は0.06%とこちらも非常に低い水準です。
VYMは全体的なスペックが高く、高配当ETFへの投資を検討している方は要チェックの銘柄です。
VYMの概要
運用会社 | Vanguard | 国籍 | 米国ETF |
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カテゴリー | ETF | 市場 | NYSE ARCA |
設定日 | 2006年11月16日 | ベンチマーク | FTSEハイディビデンド・イールド指数 |
組入銘柄数 | 412 | 経費率 | 0.06% |
VYMの配当金、配当利回り
VYMの配当金は2010年を境に右肩上がりを継続しています。毎年、増配を重ね持続的に配当金が増えているのが特徴です。配当利回りとしては概ね2.5~3.0%の間で推移しています。
もっとも、単純な配当利回りで比較すると、同じ高配当ETFであるSPYDやHDVに見劣りします。高い配当利回りを求める方はSPYDがおすすめ。財務の健全さも考慮するならHDVが最適です。
別記事でそれぞれのETFも詳しく解説しているので、気になる方はご一読ください。
VYMはポートフォリオのリバランスが年1回なのも注目ポイントです。リバランスが年4回あるHDVと比べると構成銘柄の回転率は低くなります。
相場状況の変動や個別銘柄で財務状況の悪化した場合でも1年間は保有し続けることになる点はご留意を。
もっとも、400銘柄以上に分散されているため、個別株式の変動要因は全体に対してそれほど大きく左右しません。
それぞれの銘柄に特徴があるので自分の投資スタイル、ポートフォリオと照らし合わせて投資する銘柄を選定していただければと思います。
VYMの構成銘柄
ティッカー | 企業名 | 構成比率 |
---|---|---|
AVGO | ブロードコム | 4.23% |
JPM | JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | 3.54% |
XOM | エクソンモービル | 3.09% |
JNJ | ジョンソン・エンド・ジョンソン | 2.21% |
PG | プロクター・アンド・ギャンブル | 2.2% |
HD | ホーム・デポ | 2.12% |
ABBV | アッヴィ | 1.9% |
WMT | ウォルマート | 1.73% |
MRK | メルク | 1.66% |
BAC | バンク・オブ・アメリカ | 1.59% |
(※2024年9月2日時点。参照:Bloomberg)
VYMのベンチマークは「FTSEハイディビデンド・イールド指数」です。この指数は米国株式市場の上場銘柄中、配当利回りが高くかつ一定以上の流動性がある銘柄を対象としています。
時価総額加重平均型を採用しており、時価総額が大きい銘柄ほど構成比率が高くなります。構成銘柄数は約400銘柄と幅広く分散されているのが特徴。
セクター別では、金融がもっとも高い構成比率です。SPYDも金融の構成比率が一番高いですが、SPYDに含まれている不動産がVYMでは除外されています。
その代わりに、生活必需品やヘルスケアが比較的、重いウェイトを占めています。生活必需品やヘルスケアの比重が重い点はHDVと同じです。
もっとも、SPYDやHDVは構成銘柄数が少ない(SPYD:80銘柄、HDV75銘柄)ため、より分散を効かせたい方はVYM(構成銘柄約400銘柄)がおすすめ。
次は、VYMの株価、値動きを見ていきます。
VYMの株価、値動き
上記はVYMとHDVの値動きを比較したグラフです。VYMとHDVはともに似通った値動きをしています。
もっとも、2017年以降はVYMがアウトパフォームしており、2020年3月のコロナショック後もいち早く株価を回復し、最高値を更新している状況です。
さらに、SPYDを加えたグラフが上記です。VYM、HDV、SPYDの3銘柄ではVYMの値動きがもっとも良いですね。
特に、2021年に入ってからはコロナショック前の最高値を大きく上回る値上がりをみせています。高配当ETFは配当利回りに目が行きがちですが、実際に投資する際はキャピタルゲイン(値上がり益)も重要なポイントです。
VYMのリターンは?
VYMのリターンは各年を通して平均で10%前後と高配当がテーマのETFながらも若干のキャピタルゲイン狙うことができます。
5年、10年の長期スパンでみたとき、インカムゲイン(配当)とキャピタルゲイン(値上がり益)の両方を合わせて最終的な利益がどうなるか。
この点、VYMは安定した配当実績とキャピタルゲインの両方を狙える優秀なETFといえます。米国の高配当ETFへ投資をお考えの方はVYMが要チェック!
VYMに関するよくある質問
以下では、VYMに関するよくある質問、VYMの取り扱い証券会社をまとめています。
- VYMの取引方法には何がありますか?
VYMは米国のETF(上場投資信託)です。米国ETFは米国株式と同様の扱いになるため、米国株式に対応した証券会社で現物取引およびCFD取引が可能です。
CFD取引とは、差金決済取引のことで現物をやり取りせず、売買差益のみをやり取りする取引方法です。VYMのCFD取引では「最大5倍レバレッジ」「売りから取引に入る(空売り)」をすることが可能。CFD取引に関しては、別記事で詳しく解説しています。
- VYMを取り扱いしている証券会社はありますか?
VYMはDMM 株、SBI証券、楽天証券、マネックス証券で現物の取り扱いがあります。
CFD取引であれば、IG証券が対応しています。
- VYMの買い方、購入方法は?
VYMは米国ETFですが、米国株式と同じ扱いになるため買い方としては米国株式を購入するのと同じです。上記いずれかの証券会社で口座開設を行い、資金を入金、銘柄検索にて「VYM」を入力。買付枚数(1単位から購入が可能)を入力して発注するだけ。
以下では、各証券会社の特徴を簡単に解説しているので、証券会社選びの参考にご活用ください。
VYMの取り扱いがある国内業者を解説!
DMM 株
国内ネット証券のなかでも「米国株式/ETFの取引手数料が0円」という特徴的なサービスを行っているのがDMM 株です。
DMM 株では、VYMをはじめとした米国ETFの取引手数料がかかりません。SBI証券や楽天証券も十分、リーズナブルな取引コストですが、DMM 株ほどではありません。
取引数量や約定金額に限らず取引手数料が一切かからないのは魅力的。ただし、1つ注意したいのがVYMの配当金に為替手数料がかかるという点です。
DMM 株は円貨決済のみ対応となっているため、配当金が支払われる際の為替取引(米ドル⇒円)に手数料がかかります。少額取引ではさほど大きな取引コストにはならないですが、大口で取引をされる方はご注意ください。
取引ツールは初心者~中級者向けの仕様になっているため、「初めて米国ETFに投資する」「少額から取引したい」という方はDMM 株がおすすめです。
SBI証券
国内でトップクラスの口座開設数を誇るネット証券のSBI証券でもVYMの現物取引が可能です。
SBI証券は6,000銘柄もの米国株式/ETFを取り扱い。ニューヨーク証券取引所およびNASDAQ市場に上場している大抵の米国株式はSBI証券で取引できます。
確定申告が不要な特定口座やNISA口座にも対応。決済方法も円貨決済、米ドル決済、その他、現地通貨建てでの決済も可能です。
長期保有している米国株式をSBI証券に貸し出すことで金利が受け取れる貸株サービスなど大手ならではの充実したサービスが魅力。「大手で安心して長期投資をしたい」という方はSBI証券がおすすめ。
楽天証券
ここ数年、米国株式やETFに力を入れているのが楽天証券です。取扱銘柄数の拡充(約4,950銘柄に対応)や楽天銀行からの自動入金など各種サービスを順次強化しています。
口座開設数の伸びも目覚ましく、楽天証券で投資をスタートされる方が増えています。この大きな理由が「楽天の関連サービスとの連携でお得になる」という点です。
楽天カード決済による投信積立や楽天銀行の優遇金利(マネーブリッジ)など、他の証券会社にはない楽天独自の強みが人気の理由。
楽天のサービスを普段から利用している方であれば、VYMを始めとした高配当ETFにもお得に投資ができます。随時、キャンペーンも開催されているので気になる方はぜひチェックしてみてください。
マネックス証券
マネックス証券もVYM、SPYD、HDVなどの米国高配当ETFの取り扱いがある証券会社です。
SBI証券や楽天証券と比べれば、知名度はそれほどですがサービス内容は引けを取りません。米国株式は約5,000銘柄以上に対応、中国株式も合わせれば6000銘柄を超える外国株式が取引できます。
米国株式の定期買付サービスや最大12時間の時間外取引、買付時の為替手数料無料などマネックス証券独自のサービスを積極的に展開しています。
特に、米国株式のプレマーケット・アフターマーケットでも取引ができる時間外取引は注目ポイント。通常、深夜帯のみの取引となる米国株式でより柔軟な立ち回りが可能になります。
「米国株式をリアルタイムで積極的に売買したい」という方はマネックス証券がおすすめ。
IG証券
IG証券は国内ネット証券のなかでも珍しいVYMのCFD取引に対応している証券会社です。
CFD銘柄は17000種類以上に対応。米国株式/ETF、商品、債券、株価指数、外国為替まで多種多様な金融商品がIG証券の口座1つで取引できます。
ただし、VYMのように配当狙いで長期保有が前提のETFではポジションの持ち越しに手数料がかかるCFD取引はおすすめできません。
CFD取引は、短期~中期スパンで逆相関の値動きを利用した個別株や債券ETFのポジションを構築することでポートフォリオのリスクヘッジに活用することが可能。
取引の幅を広げるという点において、CFD取引に興味がある方はIG証券もチェックしてみてください。