この記事ではレジスタンス、サポートラインとなる水平線を自動で引いてくれるTradingViewのスクリプトを解説しています。
TradingViewは世界中のプログラマーが公開した10万個以上ものコミュニティ・スクリプトが公開されています。
もっとも、そのほとんどが英語で公開されており「細かい設定やパラメーターの調整方法が分からない」という方も多いかと思います。
また、単純に数が多すぎるので「おすすめを知りたい」という方向けに実際に使ってみた中から一番使い勝手の良かったスクリプトをご紹介。
レジスタンス・サポートラインを自動で引いてくれるインジケーターをお探しの方はぜひ参考にしてみてくださいね!
TradingViewのレジスタンス&サポートライン自動描画スクリプトを紹介!
では、早速インジケーターを解説していきます。今回、紹介するのは「zigzag support&resistance multi timeframe levels [LM]」というインジケーターです。
レジスタンス・サポートラインとなる水平線を自動描画するスクリプトは20個以上が公開されていますが、その中でもシンプルかつ機能的なのがこのスクリプトです。
このインジケーターはZigZag(ジグザグ)を利用して高値・安値を決定し、主要なレジスタンスラインまたはサポートラインを自動で引いてくれます。
その他の自動描画スクリプトは「細かいラインを引きすぎる」ものや「ラインの決定条件が複雑すぎる」ものが多いですが、このスクリプトは非常にシンプルです。
ZigZagのパラメーター調整で捉えたい高値・安値を決め、どの程度の経過日数でラインを表示させるかも設定ができます。
さらに、MTF(マルチタイムフレーム)でのレジサポライン表示にも対応。
1時間足のチャートに4時間足のレジサポラインを出したり、日足チャートに週足レジサポラインを表示させたりと相場分析に実用的な機能が搭載されています。
パラメーター設定も複雑すぎず、使い方さえ分かれば簡単に有効なラインを表示させることができます。
スクリプトの追加方法
では、具体的な表示方法、使い方を解説していきます。
このインジケーターはコミュニティ・スクリプトで一般公開されているものです。無料プラン(Basic)の方でも使うことができます。
チャート画面上部のメニューにある「インジケーター」を選択します(ショートカットキー「/」でも表示することが可能です)。
検索窓に「zigzag support&resistance multi timeframe levels [LM]」を入力。
スクリプトを選択するとチャートにインジケーターが表示されます。
各パラメーターを解説
次は、各パラメーターを解説していきます。
パラメーターは「深さ」「偏差」「Line count」の3種類です。ここでは「深さ」と「Line count」のパラメーターを調整します。
ラインのカラー変更、延長も可能なので自分の好みで調整してみてください。
まず、深さは「ZigZagが決定する山と谷(高値・安値)の深さ」になります。
数値を大きくすると山と谷が深くなる=より大きな値動きを捉えます。逆に、数値を小さくすると山と谷が浅くなる=細かな値動きを捉えるようになります。
デフォルトでは「34」に設定されているので、自分が捉えたい高値・安値に合わせて数値を調整していただければと思います。
次に、Line countは「過去の高値・安値をどの時点まで表示するか」という設定です。
デフォルトの数値は「10」ですが、10であれば日足チャートで約1カ月前の値動きから主要な高値・安値を捉えて現在まで表示します。
「直近の高値・安値だけを表示したい」という方は数値を下げると表示本数が減ります。逆に、1カ月以上前のラインも表示させたい方は10以上に数値を設定してみてください。
MTF(マルチタイムフレーム)でのレジスタンスライン、サポートラインは「SECOND S/R SETTING」でパラメーターを調整します。
時間足の項目に表示されている時間足(画像では1週間)のレジサポラインがMTFで表示されます。
MTFのレジサポラインもメインと同じパラメーター調整が可能です。「Show S/R 1~4」はMTFのライン本数です。水準の異なる1~4本のラインを表示することができます。
また、デフォルトでは各ラインに価格ラベルが表示されていますが、このラベルはスタイルのメニューから「ラベル」のチェックを外すと表示を消すことが可能です。
最後に、可視性の設定はチャートの足種を変更した場合にもスクリプトを表示するかどうかの設定です。
チェックが入っている足種にスクリプトが表示されます。日足だけにスクリプトを表示させたい場合は日足以外のチェックを外しましょう。
おすすめのパラメーター設定
次は、おすすめのパラメーター設定を解説していきます。日中の時間足(1H~4H)でレジスタンス・サポートラインをシンプルに表示する際の設定値です。
まず、深さは「28」に変更します。デフォルトの「34」では少し高値・安値がアバウトになるので初期値より少し下げると、目立つ高値・安値を捉えてくれます。
そして、チャートをシンプルにするためにマルチタイムフレームのラインはすべてチェックを外します。
「これでもラインが多い」と思われた方は「ラインを延長」のチェックを外すか、Line countの数値を下げることで表示させるラインを減らすことが可能です。
1時間足や4時間足のチャートで分析される方はぜひ参考にしてみてください。日足で分析される方は深さの数値を少し大きくすると、ゆったりとした値幅で高値・安値を捉えてくれます。
マルチタイムフレームのレジサポ表示設定
次は、マルチタイムフレームのレジスタンス・サポートラインを表示させる設定です。
1時間足のチャートに4時間足のレジサポラインを表示させたり、日足に週足のレジサポラインを表示させることが可能です。
今回は1時間足のチャートに4時間足のラインを表示させます。
設定としては「Show first」のチェックを外します。これでメインのラインが非表示になります。
次に、「SECOND S/R SETTING」で4時間を設定します。ここで指定した足種のレジサポラインがチャートに表示されます。
深さは数値を「8」に下げます。1時間足の値幅に4時間足のレジサポラインを表示させるので、4時間足の深さは数値を低くします。
次は表示させるラインの本数を選択します。ここでは2本を表示させていますが、チャートによっては4本すべて表示させてもいいかと思います。
これで、1時間足のチャートに4時間足のレジサポラインを表示することができます。
マルチタイムフレームの設定と現在のチャートのレジサポラインを合わせて表示する場合は「Show first」にチェックを入れます。
その場合、表示されるラインの本数が多くなるのでLine countの数値を下げるのがおすすめです。
その設定をしたチャートが上記の画面です。1時間足のチャートに4HのMTFラインと1時間足のレジサポラインの両方を表示させています。
今回、解説したパラメーター設定はあくあでも1つの例です。それぞれのトレードスタイルによって重視するラインは変わってくると思いますので調整する際の参考となれば幸いです。
レジスタンス、サポートラインの判断なら出来高プロファイルも有用
TradingViewには「出来高プロファイル」というオリジナルのインジケーターが搭載されています。
出来高プロファイルは価格帯毎に算出した出来高(FXではティック数)を元に、重要なレジスタンス・サポートラインを教えてくれる優れモノです。
今回紹介した高値・安値からレジサポラインを判断するスクリプトとはまた違った視点から重要なラインを表示してくれます。別記事でも詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
TradingViewのおすすめインジケーター特集はコチラ!
サクソバンク証券はTradingViewとの口座連携対応!
10万個以上のコミュニティ・スクリプトや豊富なテクニカル指標と描画ツールなど世界トップレベルの機能性を持っているTradingView。
もっとも、TradingViewは基本的にチャートツールなので相場分析はできても直接発注をかけることができません。
この点、サクソバンク証券はTradingViewとの口座連携に対応した国内FX/CFD業者です。サクソバンク証券の口座と連携することでTradingViewから直接発注をかけることができます。
連携可能な口座は「一般外国株式(現物:米国株・中国株など)」「FX」「CFD(株式、株価指数、商品)」の3種類です。
注目の集まっている米国株式の現物取引やFX、CFD取引もTradingViewで分析を行い、そのまま発注まで可能。
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当ページで紹介したレジサポラインの自動描画スクリプトもそのまま使えます。別記事ではサクソバンク証券のTradingViewを詳しく解説しています。
みんなのFXは有料プラン相当の機能が無料で使える!
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サクソバンク証券とは異なり、口座連携ではないためコミュニティ・スクリプトが使えない点は残念ですが、これだけの機能が無料で使えるのは非常に魅力的です。
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TradingView対応のFX会社、ブローカー一覧表
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※TradingViewの利用形式は取引ツールに内蔵しているFX業者と口座連携ができるFX業者があります。
※取引ツールに内蔵されているTradingViewはFX業者ごとに一部、搭載されていない機能があります。
※口座連携ができるFX業者のTradingViewの機能はTradingViewの契約プランによって異なります。
TradingViewには数えきれないほどのコミュニティ・スクリプトが公開されています。
水平線の自動描画スクリプト以外にもトレンドラインを自動で引いてくれるスクリプトを解説しています。
このスクリプトも実際に使った中から使いやすいものを厳選しました。パラメーター設定の解説もしているので、トレンドラインの自動描画が気になる方はぜひご一読ください。
コメント
非常に有益なインジケーターの紹介ありがとうございます。
おすすめ設定についてですが、日足以上での使用であればデフォルトで問題ないということでしょうか?
松岡様
当ページをご覧いただきコメントまで誠にありがとうございます。
日足以上での使用についてですが、デフォルト設定でも特に問題ありません。記事に掲載しているのはパラメーター設定の参考例です。松岡様のトレードスタイルから捉えたい高値、安値を表示するための参考としてご活用いただければ幸いです。
今後ともFX手とりをよろしくお願いいたします。