この記事では、債券先物のCFD取引や現物取引に対応した国内の証券会社を徹底特集。日本国債や米国国債を現物で購入できるネット証券会社も比較表にてまとめています。
債券CFDに対応した証券会社はかなり限られています。保有株式のリスクヘッジや売買差益を積極的に狙われる方は業者選びにご活用ください。
2024年11月7日に実施されたFOMCで0.25%の利下げが決定されました。これによりFF金利の誘導目標は4.50%~4.75%に変更。前会合に続き利下げを実施しました。
パウエル議長は「FF金利の調整を検討するにあたっては入手するデータや変化し続ける経済見通し、リスクのバランスを慎重に考慮する「と発言。
年内の利下げ見通しは依然としてデータに従うとしています。引き続き今後の米国労働市場や景気動向を示す各種指標は要チェックです。
債券先物のCFD/現物取引対応の証券会社
比較項目 | IG証券 |
---|---|
口座開設手数料 | 無料 |
取引手数料 | 無料(※) |
CFD銘柄数 | 約17,000種類 |
対応銘柄 | 債券、株式/ETF、株価指数、商品、外国為替 |
取引方法 | CFD |
レバレッジ | 債券先物:50倍 |
取引時間 | 銘柄によって異なる |
最大取引数量 | 原則、上限なし |
最小取引単位 | 債券先物:原則、1ロットから |
初回最低入金額 | 制限無し |
公式サイト |
※取引手数料は両社ともに銘柄によって異なります。
※IG証券の最大取引数量はマーケットのボラティリティ、流動性によって注文が通らない場合もあるのでご留意ください。
2024年6月10日、GMOクリック証券で好評中の米国国債(ストリップス債)の新規銘柄追加が行われました。
この追加で「2036年2月15日償還」「2045年2月15日償還」「2050年11月15日償還」の3種類で多彩な銘柄が購入可能に。
ストリップス債とはあらかじめ償還価格から一定率を割り引いた価格で販売され、満期日に額面金額100%が償還される債券です。
通常の利付債とは異なり保有期間中に利払いは発生しません(ゼロクーポン債)。一方、利付債と比べて販売価格が低く設定(販売単価約30%の場合=-70%割引)されているのが特徴です。
満期まで保有した場合、額面金額の100%で償還されるため購入価格と償還価格の差が利益(償還利益:販売単価約30%で購入した場合は残りの70%分が利益)になります。
購入後の途中売却も可能です。割引価格で購入するため途中売却でも売却益が発生する可能性も。2024年は米国で利下げ開始との見方が強まっていますが、金利低下局面では残存期間の長い債券が有利です。
GMOクリック証券は利払いのある通常の利付米国債の取り扱いもあるので、現物で債券に投資されたい方はGMOクリック証券をチェックしてみてください。
掲載コンテンツ
債券CFDについて
一般的に債券といえば、国や企業が資金調達のために発行する借用書のようなものです。国が発行すれば国債、企業が発行すれば社債となります。
社債を取り扱った投資信託やETFもありますが、基本的に債券CFDでは日本国債や米国国債など国の債券を対象としています。
これまで、国が発行する国債は個人投資家が取引できるものではありませんでした。しかし、近年では各証券会社が個人向け国債を販売しており、ある程度まとまった資金があれば投資が可能です。
さらに、一部の証券会社では国債価格に連動したCFD取引(差金決済取引)を提供しています。CFD取引では、現物取引と比べてレバレッジがかけられるため資金効率を飛躍的に高めることが可能。
現物取引は長期的なスパンで利息収入(クーポン)を得たりする場合に最適ですが、債券CFDはより短期的な値動きを狙う場合に最適な取引方法です。
CFD取引に関しては、別記事で基礎知識から詳しく解説しています。
国債価格、利回りの変動要因
一般的に、国債価格は各国の政策金利と逆相関を示します。金融緩和によって金利が下がると債券価格が上昇(利回りの低下)、逆に金融引き締めによって金利が上がると債券価格が下落(利回りの上昇)する流れです
特に、日本の債券および株式相場は米国金利の影響を大きく受けます。米国の政策金利が上昇すると、利回りの高い米国債に資金が流れるため日本国債が売られ利回りが上昇しやすくなります。
アメリカの政策金利はFOMC(連邦公開市場委員会)が決定を行います。したがって、債券取引を行う場合にはFOMCやFRB(連邦準備制度理事会)の動向を常にチェックしておくのがポイント。
その他にも、債券市場はさまざまな要因で変動します。主な変動要因は以下の通りです。
変動要因 | 概要 |
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景気 | 好景気では企業の資金需要の高まりから金利が上昇⇒債券相場が下落 |
物価 | 物価の上昇(インフレ)⇒債券価格の下落(利回りの上昇) 物価の下落(デフレ)⇒債券価格の上昇(利回りの低下) |
為替 | 円高⇒輸出の減少、日銀によるドル買い介入、円高抑制政策など⇒金利の低下⇒債券価格の上昇 |
新発債の消化状況 | 発行状況が適正で順調に消化される⇒債券価格の上昇(利回りの低下) |
機関投資家の資金動向 | 銀行・信託、年金機構、海外投資家による日本国債の購入⇒債券価格の上昇(利回りの低下) |
日銀の金融政策 | 短期債および長期債の買いオペレーション⇒債券価格の上昇(利回りの低下) |
その他 | 債券発行体の格付け変更、金融政策の変更、自然災害など |
米国国債、日本国債の利回り相場状況
米国債短期(2年)利回り
※2024年11月1日時点の週足チャート画像を掲載。
上記は米国国債の短期利回りの週足チャート画像です。米国債短期利回りはコロナショック後の経済活動再開に伴い2021年9月から上昇。5%を超える勢いで上昇を続けました。
現在ではインフレは落ち着きを見せ始めており、FRBも利下げに転じている状況です。短期債利回りも週足で下落トレンドを形成しています。
米国債長期(10年)利回り
2024年11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げが決定。
パウエル議長は会見で「我々はあらかじめ定めた路線を進んでいるわけではない」と発表。
大きな流れが変わりつつある状況です。とはいえ米国のインフレはかなり根強いものがあるため今後の経済指標には要注目です。
日本国債長期(10年)利回り
一方、日銀は2024年3月に長らく継続されてきたマイナス金利政策の解除を発表。そして、7月31日には追加利上げを決定。政策金利は0.1~0.25%に引き上げられています。
さらに、今後も見通しどおりに数値が出るかどうかで追加利上げを実施する用意があるとも発表。住宅ローンや企業の借入金利に直接的な影響が出てきますが、日銀の動向も目が離せません。
債券利回りや金利を表示させるならTradingViewが便利
米国債や日本国債の相場分析ならTradingView(トレーディングビュー)がおすすめです。
世界30カ国以上の債券利回りを簡単にチェックすることができます。さらに長期債と短期債の利回り差(スプレッド)や米ドル円との相関性を見ることも可能です。
基本利用であれば無料で使えるチャートツールなのでぜひお試しください。別記事にて使い方を詳しく解説しています。
債券CFDの特徴、メリット
歴史的な金利上昇を見せている債券市場ですが、このボラティリティをトレードのチャンスに変えらるのが債券CFDという取引方法です。
レバレッジをかけることで取引額面よりも少ない資金で取引が可能
最大レバレッジ50倍(※)で資金効率を飛躍的に高められる
売りから取引に入れる(空売り)が可能
基本的に24時間(※)、リアルタイムで取引ができる
個人向け国債(現物)よりも取引コストが低い(※)
現物で保有している株式のリスクヘッジに活用できる
※レバレッジは業者ごと、銘柄ごとに異なり相場状況や流動性によっても変動する場合があります。
※取引時間、取引コストに関しても銘柄ごとに異なります。最新情報は各証券会社の公式サイトおよび取引ツールをご確認ください。
上記は国債の現物取引と債券CFDを比較した際の特徴です。債券CFDはレバレッジをかけるため取引額面の全額を用意する必要はありません。
リスク許容度に応じた資金量でポジションを調整すればリスクを管理しながら積極的に売買差益を狙うことができます。空売りもできるため上昇・下落どちらの局面でも取引チャンスになります。
また、取引コストは基本的にスプレッドのみです(銘柄、業者による)。リアルタイムで取引できるため株式市場や相場状況が変わったタイミングで取引できるのも大きなポイント。
現物で保有している株式があれば短期的な値下がりに対してリスクヘッジのポジションを構築することでポートフォリオのバランスを取る際にも活用できます。
債券CFD/現物取引対応の証券会社を解説
次は、債券CFDや債券先物の現物取引に対応した国内証券会社を解説していきます。
IG証券
IG証券はCFD取引の営業収益で世界No.1(※)のIGグループの日本法人です。IG証券は非常に多彩なCFD銘柄を取り扱っており、総取扱銘柄数は17,000種類以上にものぼります。
債券先物CFDでは、米国債・日本債・ドイツ債・フランス債・イタリア債などが取引可能。各国の金利と債券価格の逆相関を利用して売買差益を狙ったり、リスクヘッジに活用したりすることが可能です。
IG証券では少額取引にも対応しており、米国10年国債先物であれば、最小1ロットから1注文あたりの必要証拠金は67,357円です。
※IGグループの財務情報より(2022年10月時点、FXを除いた収益ベース)
IG証券の取引ツール
IG証券では先進のHTML5テクノロジーを利用したPC版ツールとスマホアプリの2種類を配信しています。
PC版ツールは30種類以上のテクニカル指標を標準搭載。動作が非常に軽快なので使っていてストレスがありません。PC版ツールとスマホアプリの両方で債券、個別株、株価指数、商品など異なるアセットクラスをワンストップで取引可能。
上記はIG証券のPC版取引ツールで債券先物CFDの取引画面を開いた画像です。ツール上で口座を切り替えるだけで世界中の金融商品がCFDにて取引できます。
PC版ツールにはTwitterフィードが内蔵されており、ロイターの最新マーケットニュースと合わせてチェックが可能。アラート機能も充実しているのでトレードチャンスを逃しません。
国内No.1の取扱銘柄数と高機能な取引ツールがIG証券の魅力です。債券以外にも株式やFXをされる方はIG証券をぜひチェックしてみてください!
IG証券のCFD各銘柄一覧表(一部抜粋)
項目 | 取扱銘柄 |
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債券先物CFD | 日本国債先物、米国国債先物(2年、5年、10年、30年)、ウルトラ米国長期国債先物、ドイツ10年国債先物、英国10年国債、イタリア長期国債、OATーフランス国債先物など |
IG証券の日本国債・米国国債の取引方法
IG証券で日本国債および米国国債のCFD取引をする方法を解説します。
口座開設後、公式サイトにログインします。ログインしてマイページを開き、債券先物口座の取引画面を開きます。
IG証券では口座毎に資金が分かれているので、事前に投資資金を入金しておきましょう。クイック入金を利用すれば瞬時に証拠金が反映されます。
取引画面の左側の「債券先物」を選択すると銘柄一覧が表示されます。一覧から取引したい銘柄を選択しましょう。
銘柄を選択すると取引画面が開きます。
右側にある発注画面で「売り/買いの選択」「取引数量の入力」「発注」の3ステップで債券先物が取引可能です。資金管理には十分ご注意のうえ、お取引ください。
IG証券では口座開設キャンペーンとは別に、「取引量連動型キャッシュバック・プログラム」を毎月開催中です。
FX・株価指数・商品・米国株式の月間取引数量(米ドル換算)に応じて、上限なしのキャッシュバックを実施。
月間取引数量によってレベルが【1】〜【3】まで変動し、レベルが上がるとキャッシュバック金額も増えていきます。アセットクラスごと・レベルごとの条件とキャッシュバック金額は以下の通り。
アセットクラス | レベル | 月間総取引量(米ドル換算) | 100万米ドルあたりのキャッシュバック金額 | キャッシュバック金額(上限なし) |
---|---|---|---|---|
FX | 【1】 | 5,000万ドル〜 | 500円 | 25,000円〜 |
【2】 | 2億5,000万ドル〜 | 750円 | 187,500円〜 | |
【3】 | 5億ドル〜 | 1,000円 | 500,000円〜 | |
株価指数 | 【1】 | 4,000万ドル〜 | 200円 | 8,000円〜 |
【2】 | 1億ドル〜 | 500円 | 50,000円〜 | |
【3】 | 2億ドル〜 | 700円 | 140,000円〜 | |
商品 | 【1】 | 500万ドル〜 | 500円 | 2,500円〜 |
【2】 | 2,000万ドル〜 | 700円 | 14,000円〜 | |
【3】 | 3,000万ドル〜 | 900円 | 27,000円〜 | |
米国株式 | 【1】 | 150万ドル〜 | 5%(※1) | |
【2】 | 600万ドル〜 | 15%(※1) | ||
【3】 | 5億ドル〜 | 25%(※1) |
(※:FXは5,000万ドル以上、株価指数は4,000万ドル以上、商品は500万ドル以上、米国株式は150万ドル以上の月間総取引量から対象)
(※1:米国株式のみ支払い取引手数料(税抜)に対して表内のキャッシュバック率が適用されます)
4種類あるアセットクラスの内、どれかひとつでもレベル【1】〜【3】に到達すれば、他のアセットクラスにも同じレベルが適用される、というルールにも注目(例:FXでレベル【3】に到達すれば、株価指数・商品・米国株式でも【3】が適用)。
月間取引数量は新規保有・決済注文を問わずに片道ごとに計算されます。大口取引される方はぜひご活用ください。
債券の個別銘柄への投資以外にも、債券市場全体に投資するなら債券ETFという選択肢もあります。
別記事では、代表的な債券ETFのAGGとBNDの2銘柄を徹底比較しています。概要やパフォーマンスを詳しく解説しているので、債券ETFに興味がある方はぜひご一読ください。
個人向け国債、債券ETF対応!国内のネット証券会社比較表
以下では、個人向け国債や債券ETFを取り扱いしている国内の大手ネット証券会社を掲載しています。国債の現物を購入されたい方はチェックしてみてください。
SBI証券
SBI証券では、国内債券および外国債券の現物取引に対応しています。
円貨建債券(新発・既発)と外貨建債券(新発・既発)があり、時期やタイミングによって取り扱っている銘柄は異なります。
外国債券では、米国国債、イタリア国債、米州開発銀行 カナダドル建て債券など多彩な銘柄に対応。
外貨建て債券は円安が進めば為替差益によって円換算金額の利回りが上昇します。逆に、円高が進めば利回りは低下するため、保有時には保有期間の為替リスクに十分ご注意ください。
また、SBI証券はSHV(iシェアーズ・バークレイズ 米国短期国債ファンド)やIEF(iシェアーズ・バークレイズ 米国国債7-10年ファンド)など米国債券ETFも取り扱いしています。
債券に現物で投資されたい方はSBI証券が要チェックです。
楽天証券
楽天証券でも各種債券の現物取引が可能です。
楽天証券の国内債券では「個人向け国債 変動10年」が最も人気の銘柄となっており、平均買付額は97.2万円ほど。
時期によっても異なりますが、楽天証券はキャンペーンを積極的に行っており、国債の買付金額に応じて楽天ポイントが付与されるキャンペーンなども随時開催しています。
外国債券では、米国ストリップス、米国トレジャリーノート(米国国債)などを取り扱い。
銘柄数ではSBI証券に軍配があがりますが、額面100ドルから買付ができたり、楽天ポイントがもらえたりする点が注目ポイントです。
「楽天関連サービスを普段からよく利用する」という方は楽天証券もおすすめ!
GMOクリック証券
大手ネット証券の1角であるGMOクリック証券でも債券の現物取引に対応。
GMOクリック証券では、アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド国債の他、アップルやアマゾン、インテルなどの超有名企業の米ドル建て債券も取り扱いしています。
取扱銘柄は大手格付業者「S&P(スタンダード&プアーズ)」や「Moody’s(ムーディーズ)」で高レベルの格付がついた政府系、国際系金融機関、企業が発行した債券なので安心。
また、取引手数料や口座管理料は無料です。外債を購入する際の為替手数料も以前までは手数料がかかりましたが無料化されたため取引コストを抑えつつ債券投資が可能です。
債券の現物取引以外にも、国内株・投資信託・米国株式や株価指数のCFD取引など多彩な取引方法に対応しているのがGMOクリック証券の魅力です。
CFDサービスが人気のGMOクリック証券にてまたまた新銘柄が追加されました!今回は株価指数の「フランス40」と「債券・半導体・エネルギー関連のレバレッジETF」です。
債券ETFは「米国債20年3倍ブル/ベアETF」が追加されています。レバレッジ型のブル・インバースETFなので市場の値動きよりも大きいリターンを狙うことが可能です。
これでGMOクリック証券のCFD総取扱銘柄は150銘柄まで増えました。積極的に銘柄拡充を行っているGMOクリック証券のCFDサービスは要チェックです!