この記事ではARKの代表的なETFである「ARKK(アークイノベーションETF)」について、構成銘柄や株価、証券会社まで解説しています。
構成銘柄は全銘柄を一覧表(毎月更新)にてまとめています。米国株式投資の銘柄選びやARKKが取引できる証券会社をお探しの方はぜひご活用ください。
ARK ETFの現物/CFD対応業者比較表
比較項目 | ![]() | ![]() |
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取引方法 | CFD | CFD |
ARK対応銘柄 | ARKG、ARKF、ARKQ | ARKK、ARKG、ARKW、ARKF、ARKQ |
手数料 | 2.2セント/株 | 取引金額×0.165% |
最低手数料 | USD16.5 | 無料 |
銘柄取扱数 | 約17,000種類 | 約12,000種類 |
取引上限 | 原則、上限無し(※) | 銘柄による |
取引時間 | 23:30-6:00 | 23:30-6:00 |
最低入金額 | 制限無し | 10万円以上 |
公式サイト | ![]() | ![]() |
※取引時間は標準時間を掲載。夏時間は開始時刻、終了時刻ともに1時間早くなります。
※IG証券は現在、ARK関連銘柄の取引が停止されています。取引再開時期は未定なのでご注意ください。
※IG証券の最大取引数量はマーケットのボラティリティ、流動性によって注文が通らない場合もあるのでご留意ください。
ARKK(アークイノベーションETF)とは
ARKKは世界中の投資家が注目している投資運用会社「ARK INVEST(アークインベスト)」が運用している米国ETFです。
ARKのETFは2020年にアクティブファンドとして圧倒的なパフォーマンスを記録し話題となりました。創業者のキャシー・ウッド氏は「女性版ウォーレン・バフェット」ともいわれる敏腕マネージャーです。
ARKは各業界で破壊的イノベーション(劇的な生産性の向上、急激なコスト低下)を起こす可能性を秘めた企業を選定しETFとして運用しています。
そのなかでも、ARKKはカテゴリーごとに代表的な銘柄を組み込んだARKの代表的なETFです。
電気自動車、蓄電池、エネルギー貯蔵
フィンテック、キャッシュレス決済、仮想通貨(ビットコイン)
人工知能(AI)、機械学習、ディープラーニング
ゲノム編集、CRISPER、パーソナライズされた遺伝子治療、がん治療
次世代インターネット、IoT、MaaS、フルオートメーション
宇宙産業、ロケット・人工衛星の運用コストダウン、衛星ブロードバンドの普及
キャシー氏は「現代はかつてない規模で複数の革新的なイノベーションが同時進行している」としています。
ARKKはこれらの各カテゴリーにおいて、破壊的イノベーションを起こし業界の中心的な存在になるであろう銘柄を独自の手法で選別しています。
ARKの調査手法や特徴については別記事でも詳しく解説しているので気になる方はご一読ください。
ARKKのファンド詳細
ティッカー | ARKK | ファンドタイプ | アクティブETF |
---|---|---|---|
一次取引所 | NYSE Arca | 設定日 | 2014年10月31日 |
構成銘柄数 | 35~55 | 経費率 | 0.75% |
ARKKの構成銘柄について
次は、ARKKの構成銘柄について解説していきます。全構成銘柄の一覧、企業規模比率、グループ別比率などをグラフで掲載しています。どのような銘柄が組み込まれているのか、確認する際にご活用ください。
ARKKの構成銘柄比率(2023年11月30日時点)
ティッカー | 企業名 | 構成比率 |
---|---|---|
COIN | コインベース・グローバル | 11.24% |
ROKU | ロク | 9.06% |
TSLA | テスラ | 7.89% |
ZM | ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ | 6.89% |
PATH | ユーアイパス | 6.76% |
SQ | ブロック | 6.00% |
CRSP | CRISPRセラピューティクス | 4.58% |
RBLX | ロブロックス | 4.07% |
TWLO | トゥイリオ | 3.93% |
DKNG UW | ドラフト・キングズ | 3.62% |
SHOP | ショッピファイ | 3.44% |
U | ユニティ・ソフトウェア | 3.17% |
NTLA | インテリア・セラピューティクス | 3.00% |
TDOC | テラドック | 2.77% |
EXAS | イグザクト・サイエンシズ | 2.42% |
HOOD | ロビンフッド | 2.33% |
PD | ページャーデュティー | 2.32% |
BEAM | ビーム・セラピューティクス | 2.21% |
DNA | ギンコー・バイオワークス | 2.16% |
PACB | パシフィック・バイオサイエンシズ・オブ・カリフォルニア | 2.07% |
PLTR | パランティア・テクノロジーズ | 1.62% |
TXG | テンエックス・ゲノミクス | 1.39% |
VCYT | ベラサイト | 1.35% |
TWST | ツイスト・バイオサイエンス | 1.10% |
ACHR | アーチャー・アビエーション | 1.03% |
META | メタ・プラットフォームズ | 0.86% |
TER | テラダイン | 0.61% |
RXRX | リカージョン・ファーマシューティカルズ | 0.52% |
TTD | トレード・デスク | 0.00 |
VERV | バーブ・セラピューティクス | 0.45% |
CERS | シーラス | 0.28% |
ARKKの構成銘柄で注目は電気自動車開発の「TESLA(テスラ)」です。ARKはEV車の販売が今後、著しく加速するとみています。
その理由は、革新的な蓄電池技術の確立で生産コストが低下、販売数の増加に拍車がかかっていること、中国を中心とした旺盛な需要があるからです。すでに、EV車の定価はガソリン車と同等の水準に迫っています。
ARK社がこの電気自動車開発で中心的な存在となるとしているのがTESLA(テスラ)です。
テスラは世界でトップクラスの蓄電池技術を活用し低コストでEVを生産。さらに人工知能を搭載した車両は全世界の道路状況をマッピングしビックデータとして蓄積しています。
特に、人工知能を活用した自動運転技術は驚くほど速いスピードで新かしており、キャシー・ウッド氏は今後数年間でテスラは全米に全自動のEVタクシー車を普及させるとみています。
テスラはARKK以外のARK社のETFに組み込まれており、キャシー氏がどれだけテスラに期待しているのかがよく分かります。
引用:ARK INVEST【We Believe Zoom Is the Fabric Connecting Global Enterprise Communications and the Future of Work】
そして、テスラと同様にARK社が株式の買い増しをしている銘柄がZoom(ズーム)です。テレワークが一般的な働き方となった今、より高品質なリモートコミュニケーションのサービスに需要が高まっています。
特に、リモートワークに関しては企業が新しくソフトウェアを「総入れ替え」するサイクルに突入しており、キャシー・ウッド氏はズームがその受益者になるとしています。
ARKKの筆頭銘柄は運用開始からテスラで変わっていませんでしたが、今ではテスラに近いほどの構成比率でARKKに組み込まれています。
その他にも、ARKKには各業界で注目の銘柄が厳選されて組み込まれています。気になる銘柄、知らない銘柄があればぜひチェックしてみてください。
次は、ARKKのカテゴリー別の構成比率、企業規模比率、セクター比率、地域別比率をグラフで紹介していきます。ARK社はETFの構成銘柄に関して、日々売買を行っており、細かな銘柄数の比率は随時変わっている点にはご注意ください。
ARKが最も注目しているテスラを別記事にて徹底特集しています。テスラの事業内容、最新決算情報、証券会社などを詳しくまとめているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
ARKKのカテゴリー別構成比率
カテゴリー | 構成比率 |
---|---|
クラウドコンピューティング | 18.8% |
デジタルメディア | 11.4% |
遺伝子治療 | 9.4% |
eコマース | 7.3% |
IoT | 5.2% |
計装 | 5.0% |
モバイル | 4.9% |
バイオインフォマティクス | 4.9% |
ビックデータ/機械学習 | 4.6% |
次世代オンコロジー | 4.4% |
上記の表はARKKのカテゴリー別の構成比率です。カテゴリー別の構成比率は前四半期と比べるとデジタルメディアの構成比率が上昇しています。
グラフを見ていただいてもお分かりですが、ARKKは各カテゴリーに対して比較的均等に分散が効いています。
構成比率の比重は現時点でARK社の注目度合いを示しています。クラウドコンピューティング、デジタルメディア、遺伝子治療の市場は今後、要注目ですね。
ARKKの企業規模比率
企業規模 | 構成比率 |
---|---|
Mega | 9.6% |
Large | 39.3% |
Medium | 41.6% |
Small | 9.0% |
Micro | 0.2% |
企業別の時価総額では、Large(100億ドル~1,000億ドル)とMedium(時価総額20億ドル~100億ドル)の企業群で全体の8割近くを占めているのが特徴です。
前四半期よりもLarge規模の比重が大きく下がり、Medium(時価総額20億ドル~100億ドル)の比重が大幅に上がっています。
また、Micro(時価総額3億ドル以下)の企業はARKKにはほぼ組み込まれていません。ARKのETFは上場企業のみが対象となるため、一定以上の時価総額規模のある大手企業が中心的な構成銘柄になります。
ARKKのセクター比率
セクター | 構成比率 |
---|---|
情報技術 | 34.8% |
ヘルスケア | 33.3% |
一般消費財 | 11.9% |
通信サービス | 11.5% |
金融 | 5.5% |
素材 | 1.8% |
資本財 | 0.8% |
その他 | 0.3% |
セクター比率では、情報技術が34.8%、ヘルスケアが33.3%、一般消費財が11.9%という構成比率ですね。
IT・ハイテク関連の構成比率は約46%を占めており、ARKKは全体としてIT技術の革新に大きな比重が置かれています。
逆に、素材、資本財などはARKKで低い構成比率になっているのも注目ですね。
ARKKの地域別比率
地域別 | 構成比率 |
---|---|
北米 | 93.0% |
西ヨーロッパ | 6.8% |
アフリカ・中東 | 0.2% |
アジア・太平洋 | 0.0% |
地域別では、北米が93.0%と圧倒的な比率になっています。ARKKでは、基本的に米国企業から構成銘柄が選定されている形です。西ヨーロッパの割合は全体の約7%ほどになります。
アジア太平洋地域、アフリカ/中東地域の企業はほとんど組み込まれていません。次は、ARKKの買い方、取引に対応している証券会社を解説していきます。
ARKKの買い方、購入方法について
ARKKは国内の大手ネット証券会社(SBI証券、楽天証券など)では取り扱いがなく、直接購入することはできません。国内業者では、サクソバンク証券がARKKのCFD取引に対応しています。
以下では、ARKKが取引できる国内業者を解説しているので、業者選びの参考にご活用ください!
サクソバンク証券:【CFD取引】
国内の証券会社、FX/CFD業者のなかでもARKKのCFD取引ができる貴重な会社がサクソバンク証券です。
サクソバンク証券は1992年創業、欧州銀行系オンライン証券会社として世界170カ国、80万人以上の顧客をかかえるグローバルプロバイダー。
日本でも10年以上に渡って金融サービスを提供しています。サクソバンク証券は海外23の取引所と連携しているため、米国ETFや海外ETFの取り扱いが非常に豊富です。
ARK社のETFはARKK、ARKG、ARKF、ARKQ、ARKWの5銘柄に対応。これまでサクソバンク証券はARK社のETFの現物取引が可能でしたが、2021年11月15日より現物取引の新規購入停止が発表されました。
現物では購入できませんが、CFD取引は取引が可能です。CFD取引に関しては別記事でも解説しているので、「CFD取引って何?」という方はご一読ください。
現物取引ができないとはいえ、国内でARKKを取引できる証券会社はサクソバンク証券ぐらいなので、ARKKへの投資をお考えの方はサクソバンク証券が要チェックです!
サクソバンク証券の詳細情報
項目 | ![]() |
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取引方法 | CFD |
ARK対応銘柄 | ARKK、ARKG、ARKW、ARKF、ARKQ |
手数料 | 取引金額×0.165% |
最低手数料 | 無料 |
銘柄取扱数 | 約12,000種類 |
取引上限 | 銘柄による |
取引時間 | 23:30-6:00 (夏時間22:30-5:00) |
最低入金額 | 10万円以上 |
公式サイト | ![]() |
IG証券:【CFD取引】
※IG証券は現在、ARK関連銘柄の取引が停止されています。取引再開時期は未定なのでご注意ください。
IG証券もARKのETFが取引できる数少ない国内業者です。ただし、ARKKは取り扱いがなく、ARKG、ARKF、ARKQの3銘柄のみの取り扱いとなります。
IGグループはCFD取引で営業利益ベース世界No.1(※)、IG証券はその日本法人です。CFD銘柄は17,000種類以上の銘柄を取り扱いしており、国内でもトップクラスの品揃えです。
ARKKが取引できないのは残念ですが、IG証券の口座が1つあるだけで世界中の金融商品が取引できるといっても過言ではないほどの国内業者です。
米国株式/ETF、株価指数、商品、債券、FXなど幅広い金融商品を取引される方はIG証券が要チェック。
※アークETFはマーケットの状況次第では、取引が出きなくなる可能性、証拠金率の変更の可能性があります。
※IGグループの財務情報より(2022年10月時点、FXを除いた収益ベース)
インヴァスト証券:【CFD取引】
インヴァスト証券は世界各国のETFを自動売買できる「トライオートETF」というサービスを提供しています。
このトライオートETFに新たな銘柄としてARKKが追加されました。インヴァスト証券のトライオートETFは設定済みのプログラムの中から自分好みのプログラムを選択し、自動売買を行うサービスです。
トライオートETFのメリットは「確定利益を積み上げる」「感情に左右されないトレードが可能」「少額でスタートできる」「取引に時間を取られない」という点。
手動の取引とは違い、事前に設定されたプログラムが自動で売買を行うためメンタルに左右されず淡々と利益を積み重ねることができます。
ARKKを取引できる業者自体が限られている中、ETFの自動売買というユニークなサービスを提供しているのがインヴァスト証券の特徴です。
「自動売買に興味がある」という方はインヴァスト証券もぜひこの機会にチェックしてみてください!
ARK社はARKK以外にも多彩なETFを運用しています。それぞれにテーマが決まっており、構成銘柄も異なります。
別記事でARK社の特徴や各ETFの構成銘柄を詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。