この記事では電気自動車(EV)関連で注目の東証&米国ETFを徹底特集しています。
次世代の移動手段として注目されている電気自動車。日本を含む世界各国で技術開発が活発に行われており、市場規模も拡大し続けています。
ここではEV関連の米国ETFを中心に概要やリターン率を詳しく解説しています。各証券会社の取扱銘柄や注目の個別株式なども合わせて解説しているので、銘柄選びの参考としてご活用ください。
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SBI証券でグローバルX 自動運転&EV ETF(2867)の取り扱いがスタート!
Global X Japanの自動運転&EVの東証ETF2銘柄が新規上場しました。
自動運転および電気自動車(EV)関連の企業75銘柄で構成された指数「Solactive Autonomous & Electric Vehicles Index」との連動を目指すETFです。
構成銘柄は自動運転技術の30銘柄、EV製造の15銘柄、EV関連事業の30銘柄です。分配金支払いは毎年3月、9月の年2回、運用管理費用は年率0.704%です。
米国ETFではありませんが、東証ETFでEV関連銘柄にまとめて投資されたい方はSBI証券にご注目を!
電気自動車(EV)について
「いかにクリーンなエネルギーで自動車を動かせるか」
この課題の1つの解決策が電気自動車です。
一口に電気自動車といってもHV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグイン・ハイブリッド車)、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)など種類はさまざま。
世界各国の自動車メーカーはそれぞれの強みを生かし、数十年後の巨大なマーケットで地位を築くため、熾烈な開発競争を繰り広げています。
2030年にはガソリン車を超えるシェアを占める予測
BCG(ボストンコンサルティンググループ)が発表した電気自動車市場の予測レポート(※)では、世界の電気自動車市場は2030年には1兆3,000億ドル(日本円で約143兆円)になると試算。
2025年には電気自動車の世界シェアが25%を越え、2030年にはガソリン車とディーゼル車の合計を超えて51%以上のシェアを占めると示唆しています。
※参照:Boston Consulting Group(Who Will Drive Electric Cars to the Tipping Point?)
この背景には「蓄電池(バッテリー)の技術革新によるバッテリー価格の低下」があります。
今後10年でバッテリー価格は5分の1以下に
BCGのレポートでは2014年から2030年にかけてキロワット/時あたりのバッテリー価格が540ドルから100ドルまで下落すると予測。
電気自動車の主要パーツであるバッテリー価格が下落すれば生産コストの低下、販売価格は一般的な所得水準でも手の届く範囲により近づきます。
さらに、各国政府は排ガス規制の強化とEV車の普及を推し進めており、購入時の補助金や減税政策も積極的に実施されています。
現在の世界のEV市場を牽引するのは米国と中国です。特に、中国は近年急速にマーケットが拡大しており、今では世界最大のEV市場となっています。
米TESLAや中国のBYD、NIOはその最先端を走る企業です。米GM、米フォード、独フォルクスワーゲンなどの大手企業はもちろん、米アップルや中国のシャオミといったIT企業までも電気自動車の開発に乗り出しているのが現状です。
引用:BYD公式サイト(https://www.bydglobal.com/)
世界で最も熾烈なEVの開発競争が行われている中国。その中国でEV・PHEVの販売台数で長年トップを走り続けるのがBYDです。
独自開発の蓄電池(リチウムバッテリー)は世界でもトップクラスの性能を誇ります。中国政府の強力なバックアップのもと、その技術力を年々、高めているBYDはEVメーカーとして要注目の企業です。
すでに日本にも進出しており、今後の動向は要チェックです!
EVに搭載されるパワー半導体にも注目
EVは通常の自動車と比べると部品が非常に少ない点が特徴ですが、モーターやバッテリーなど主要部品のうち半導体関連で注目されているのが「インバーター」です。
インバーターとは、モーターの回転数やトルクを制御するための機器です。バッテリーから出力された直流電力を交流電流へと変換しモーターを駆動させます。
この電流を変換する際の抵抗値を減らし、どれだけエネルギーロスをなくせるか。パワー半導体の技術競争が全世界のメーカーで行われています。
EVの最重要部品ともいえるバッテリーの充電回路にもパワー半導体は使用されており、どれだけ高性能・高効率のパワー半導体デバイスを製造できるかはEVの性能にも直結します。
パワー半導体については別記事でさらに詳しく注目銘柄も交えて解説しているので、ぜひご一読ください。
【株価急上昇中】パワー半導体で注目すべき米国&海外3銘柄を解説!
電気自動車(EV)関連の米国ETF一覧表
上記で紹介したようなEVメーカーにまとめて投資できるのがETF(上場投資信託)の特徴です。ETFは個別株のリスクを軽減しつつ、EV市場全体の成長に投資することができます。
長期的なスパンでEV市場の成長に投資をお考えの方はETFがおすすめ。
次は、電気自動車のETFで注目の銘柄を解説していきます。一覧表で各銘柄を比較しているので銘柄選びの参考としてご活用ください。
ティッカー | 名称 | 特徴 |
---|---|---|
ARKQ | アーク・自動運転技術・ロボティクスETF | 自動運転技術、エネルギー貯蔵、ロボット工学分野で次世代のリーダー的企業を早期発掘 |
DRIV | グローバルX・自動運転技術・電気自動車ETF | 自動運転技術、EV、EVコンポーネントと材料開発企業が対象 |
IDRV | iシェアーズ・自動運転EV・テックETF | 電気自動車、蓄電池、自動運転技術開発関連の先進国および新興国の企業が対象 |
HAIL | SPDR S&P Kensho Smart Mobility ETF | 自動運転技術、自律型ドローンなどスマート輸送に関連する企業が対象 |
KARS | クレインシェアーズ・電気自動車・未来型モビリティーETF | 電気自動車、部品開発、将来的なブレイクスルーが期待される企業が対象 |
LIT | グローバルX・リチウム・バッテリー・テックETF | 金属の採掘、生成からバッテリー製造までリチウムサイクル全体に関わる企業が対象 |
MOTO | スマート・トランスポーテーション・テクノロジーETF | 電気自動車、自立走行車、スマート輸送など交通革命に関連する企業が対象 |
上記は電気自動車や自動運転技術がテーマのETF一覧です。
電気自動車の関連ETFで注目したいのがARKQ(アーク・自動運転技術・ロボティクスETF)です。ARK社のETFは「5年後に業界のリーダー的存在になる企業」を早期発掘することがファンドの目的です。
テスラを筆頭に北米を中心とした電気自動車・EV関連企業の銘柄が厳選されています。ARK社のETF構成銘柄を参考に米国株式に投資する人がいるほど、世界的に影響力を持っているのがARK社のETFです。
下記でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
経費率ではHAIL(SPDR S&P Kensho Smart Mobility ETF)が0.45%と低い水準です。HAILはEVだけでなく自律型ドローンやスマート輸送関連の企業も組み込まれています。
また、リチウムイオン電池バッテリーの精製、製造を行う企業も電気自動車市場と密接に関係しています。
LIT(グローバルX・リチウム・バッテリー・テックETF)はリチウムサイクル全体に関連する企業を対象としたETFです。純資産額が他のEV関連ETFと比べて大きいのも注目ポイント。
電気自動車のハードやソフトを製造する企業だけでなく、部材(コンポーネント)を開発、製造する企業もぜひチェックしてみてください。
次は、各ETFのパフォーマンスを比較していきます。
電気自動車、EV関連ETFのパフォーマンス比較
上記の画像は2016年から2021年までの各ETFを対数チャートで比較した画像です。
一目見てお分かりかと思いますが、ARKQが他のETFを抑えて大きくアウトパフォームしています。
ARK社のETFは「破壊的イノベーションを起こす可能性を秘めた企業を早期発掘する」というテーマで選別されているのが特徴。
米TESLAの将来性をいち早く見抜き、早期から投資していたことで有名になりました。ここ数年で目覚ましい成績を残しており、独自の銘柄選定は世界中の投資家が注目しています。
リチウム関連ETFのLITも良いパフォーマンスを記録しています。LITの構成銘柄は中国企業が多く、他のETFと大きく異なりますが値動きは似通っているのが特徴。
HAIL、IDRV、DRIVはここ数カ月でパフォーマンスが改善。どの銘柄もETFとしては高いリターン率を出しています。
以下では、国内の主要ネット証券会社での各ETFの取り扱い状況をまとめています。
電気自動車(EV)関連ETFの各社取り扱い銘柄
銘柄 | IG証券 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 |
---|---|---|---|---|
取引方法 | CFD | 現物 | 現物 | 現物 |
ARKQ | 〇 | × | × | × |
DRIV | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
IDRV | 〇 | × | × | × |
HAIL | 〇 | × | × | × |
KARS | 〇 | × | × | × |
LIT | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
MOTO | × | × | × | × |
公式 |
IG証券はCFD取引にてMOTO以外の全銘柄に対応。CFD取引とは現物をやり取りせず売買差益のみをやり取りする取引方法です。
現物取引と比べて「最大5倍レバレッジ」「空売りが可能」「ほぼ24時間リアルタイムで取引できる」といった点がCFD取引のメリット。
CFD取引に関しては、別記事でも解説しているので気になる方はぜひご一読を。
電気自動車(EV)ETFおすすめ3銘柄を解説!
ARKQ
ARKQは自動運転技術、ロボティクス、3Dプリント、エネルギー貯蔵などがテーマのETFです。運用会社はキャシー・ウッド氏が率いるARK INVESTです。
ARKQは今後3~5年で自動運転技術やロボティクスの分野でリーダー的存在となるであろう企業が世界中から厳選されて組み込まれています。
ARKQの概要
運用会社 | ARK INVEST | 国籍 | 米国ETF |
---|---|---|---|
カテゴリ | ETF | 市場 | Cboe BZX Exchange |
設定日 | 2014年9月30日 | ベンチマーク | ARK選定銘柄 |
直近配当利回り | ー | 経費率 | 0.75% |
ARKQの構成銘柄比率TOP10(2024年8月30日時点)
ティッカー | 企業名 | 構成比率 |
---|---|---|
TSLA | テスラ | 12.69% |
TER | テラダイン | 10.38% |
KTOS | クラトス・ディフェンス・アンド・セキュリティー・ソリューションズ | 9.63% |
IRDM | イリジウム・コミュニケーションズ | 5.89% |
AVAV | エアロバイロンメント | 5.02% |
TRMB | トリンブル・ナビゲーション | 4.63% |
PATH | ユーアイパス | 3.9% |
RKLB | ROCKET LAB USA INC | 3.63% |
KMTUY | 小松製作所 | 3.54% |
DE | ディーア | 3.38% |
最も高い構成比率となっているのはTESLA(テスラ)です。テスラは他のARK社のETFにも組み込まれている要注目銘柄になります。
ARK社CEOのキャシー氏はテスラが将来的に電気自動車を活用した世界最大のタクシープラットフォームになると予測。目標株価は1500ドルを見据えており、今後の株価上昇に期待が高まります。
テスラ以外にもトリンブルやディーアなど電気自動車に限らず幅広いジャンルから、今後革新的なサービスを提供する可能性を秘めた企業が組み込まれているのがARKQの最大の特徴。
「電気自動車を含めた将来の革新的なテクノロジーに投資したい」という方はARKQがおすすめ!
DRIV
DRIVはグローバルX社が運用している自律型車両技術、電気自動車(EV)およびコンポーネント(部品)の開発に携わる企業を対象としたETFです。
電気自動車のハードとソフトだけでなくリチウム電池の開発、コバルトなどの重要なEV材料を製造する企業も含まれています。
DRIVの概要
運用会社 | グローバルX | 国籍 | 米国ETF |
---|---|---|---|
カテゴリ | ETF | 市場 | NASDAQ |
設定日 | 2018年4月17日 | ベンチマーク | グローバルX選定銘柄 |
DRIVの構成銘柄と組入比率
ティッカー | 企業名 | 構成比率 |
---|---|---|
NVDA | エヌビディア | 3.06% |
MSFT | マイクロソフト | 3.04% |
7203 | トヨタ自動車 | 3% |
GOOGL | アルファベット | 2.9% |
TSLA | テスラ | 2.73% |
QCOM | クアルコム | 2.72% |
HON | ハネウェル・インターナショナル | 2.64% |
6501 | 日立製作所 | 2.37% |
GM | ゼネラル・モーターズ | 1.78% |
NXPI | NXPセミコンダクターズ | 1.73% |
(※2024年9月2日時点。参照:Bloomberg)
DRIVは直接的な自動車メーカーだけでなくエヌビディアやクアルコム、インテルといった車載半導体関連の銘柄も組み込まれているのが特徴です。
特に、クアルコムはここ数年で事業の多角化を進めており、EV向けの車載半導体が好調な売れ行きで事業の成長率を牽引しています。EVの製造に必須となる車載半導体や蓄電池(リチウムバッテリー)技術を持つ企業も要注目です。
国別では米国が約6割を大半を占めています。DRIVは多くが米国株ですが、その他であれば中国、日本、欧州などにも分散投資されています。日系企業ではトヨタ自動車が上位にランクインしているのが注目ですね。
「純粋に電気自動車関連のETFに投資したい」という方はDRIVが要チェック!
LIT
LITはリチウムの採掘から精製、バッテリー製造までのリチウムサイクル全体に関わる企業を対象としたETFです。
リチウムはスマホをはじめとしたモバイル製品や再生可能エネルギーの貯蔵、電気自動車のバッテリーの製造に欠かせない物質。
電気自動車の連続走行距離、燃費、生産コストに大きく関わってくるためリチウム関連企業も要チェックです。
LITの概要
運用会社 | グローバルX | 国籍 | 米国ETF |
---|---|---|---|
カテゴリ | ETF | 市場 | NYSE ARCA |
設定日 | 2010年7月23日 | ベンチマーク | グローバルX選定銘柄 |
LITの構成銘柄と組入比率
ティッカー | 企業名 | 構成比率 |
---|---|---|
ALB | アルベマール | 9.03% |
6762 | TDK | 6.21% |
TSLA | テスラ | 5.97% |
373220 | LGエネルギーソリューション | 5.08% |
1211 | 比亜迪 [BYD] | 5.04% |
SQM | ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリ | 4.64% |
002371 | 北方華創 | 4.6% |
006400 | サムスンSDI | 4.41% |
PLS | ピルバラ・ミネラルズ | 4.31% |
300750 | 寧徳時代新能源科技 | 4.28% |
(※2024年9月2日時点。参照:Bloomberg)
LITの構成銘柄で注目なのが中国のCATL(寧徳時代新能源科技)です。CATLは中国のメガバッテリーメーカーで主な製品として車載駆動用バッテリーの開発、販売を行っています。
米テスラにもバッテリーを納品しており、CATL製のリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)が量産型のモデル3に採用されました。
これによってテスラはモデル3の中国での販売価格を大幅に下げています。すでに、中国では100万円以下で最新の電気自動車が購入できる環境にあります。
蓄電池の技術革新は日進月歩で進んでいます。ガソリン車と同じリーズナブルな価格で電気自動車が購入できる日もそう遠くないかもしれませんね。
電気自動車(EV)のETFが取引できるおすすめ証券会社を解説!
業者名 | 対応取引 | 取扱銘柄数 | EV関連ETF取扱銘柄 | 公式 |
---|---|---|---|---|
IG証券 | CFD | CFD銘柄:約17,000種類 | ARKQ、DRIV、IDRV、HAIL、KARS、LIT、MOTO | |
SBI証券 | 現物 | 米国株式/ETF:約6,000銘柄 | 2867、LIT、DRIV | |
楽天証券 | 現物 | 米国株式/ETF:約4,950銘柄 | 2867、LIT、DRIV | |
マネックス証券 | 現物 | 米国株式/ETF:約5,000銘柄 | 2867、LIT、DRIV | |
松井証券 | 現物 | 米国株式/ETF:約4,500銘柄 | LIT |
IG証券(CFD取引)
電気自動車(EV)関連のETFでCFD取引をするなら注目なのがIG証券です。
上記で簡単に解説しましたが、CFD取引とは差金決済取引のことで日本株でいうところの信用取引と同じイメージの取引方法です。
株式CFDでは最大5倍のレバレッジをかけられるため、現物取引よりも資金効率を飛躍的に高めることが可能。また、空売りもできるため下落局面でも利益を狙うことができます。
現物で保有している銘柄があれば、下落局面で売りポジションを保有すれば一時的なリスクヘッジにも活用できるなど取引の幅が大きく広がるのがCFD取引です。
IG証券の親会社であるIGグループはCFD取引で世界No.1の営業収益(※)を誇るグローバルプロバイダー。全世界15カ国以上、30万人以上のトレーダーに利用されているリーディングカンパニーです。
株式/ETFのCFD銘柄は12,000種類以上に対応しており、電気自動車関連でもARKQ、DRIV、IDRV、HAIL、KARS、LITなど多彩な取り扱いがあります。
その他にも、外国為替(FX)約100通貨ペア、株価指数40銘柄、商品30銘柄に対応。債券(日本国債、米国国債)までIG証券の口座1つで取引ができます。
電気自動車関連の海外ETFを取り扱っている国内の証券会社はかなり少なく、取り扱い銘柄も充実していません。今回、解説した海外ETFではIG証券ぐらいしか対応している業者がありません。
電気自動車のETFを取引されたい方はIG証券をぜひチェックしてみてください!
※IGグループの財務情報より(2022年10月時点、FXを除いた収益ベース)
ウィブル証券は世界基準のスマホ証券として新しくサービスを開始した証券会社です。米国株式・ETFは約7,000銘柄に対応。EV関連株式やETFも多数取り揃えています。
特に、注目なのは「業界最安水準の取引手数料」です。ウィブル証券では、米国株式および海外ETFの現物取引にかかる取引手数料が【約定金額×0.20%(税抜)】です。
大手ネット証券のおよそ半分の取引手数料で米国株式が売買できるのは非常に魅力的ではないでしょうか。そして、スマホ証券というだけあってスマホアプリも高機能です。
一般的な株式アプリでは見れないような独自情報が盛りだくさん。24時間スマホから注文が可能、16時間のリアルタイム取引にも対応しています。
「スマホで気軽にEV銘柄に投資したい」「コストはできるだけ抑えたい」という方はウィブル証券をぜひチェックしてみてくださいね!